教職員ボイコットの和歌山南陵高で理事長交代 措置命令解除目指す
毎日新聞 2024/4/15(月) 18:53配信
2022年5月に給与未払いなどを理由に教職員が授業をボイコットする問題が起きた私立和歌山南陵高校(日高川町)について、運営する学校法人「南陵学園」(静岡県)の理事長が交代し、事業が承継されたことが分かった。法人の経営難により、管轄する静岡県から経営改善を示す書類の提出などを求める措置命令を2度受け、生徒の募集が停止されているが、新体制で未払い金などの問題を解決し、措置命令の解除を目指す。
関係者によると、14日に静岡県で理事会が開催され、関口仁理事長が辞任し、大分県のコンサルタント会社代表を務める甲斐三樹彦氏(52)が就くことを決めたという。
同校では、学校法人の資金難で職員の給与支払いがたびたび滞った他、保護者への就学支援金の還付遅れや教職員の私学共済の掛け金の未払いなどが表面化した。法人を管轄する静岡県は22年7月に続き、同年12月に2度目の措置命令を出し、経営改善が確認されるまで生徒の募集を止めるように求めた。法人の理事長は22年夏以降、2度交代していた。
22年時点で定員120人に対して、各学年とも生徒数が40〜60人台だったが、問題発覚後は転校が相次いだ。23年度に続き、24年度の新入生が入らず、現在は新3年生18人だけになっている。同校は県内スポーツ強豪校として知られているが、昨夏の高校総体県予選で準優勝したサッカー部は部員がいなくなり、活動を停止していた。今年に入っても2月の職員給与支払いが大幅に遅れるなど経営難が続き、今月の始業式後も、今年度の運営の見通しが立っていなかった。
15日は同校を甲斐新理事長が訪れ、生徒に対して「今後は必要な設備も整え、皆さんがここを卒業してよかったと思えるような学校作りを全力でしていく。いろいろあったが残ってくれてありがとう」と伝えたという。甲斐新理事長は毎日新聞の取材に「まず今いる生徒を守り、送り出すことが第一。その上でできるだけ早く生徒の募集再開ができるようにしたい」と話していた。【加藤敦久】
菊川南陵高校をめぐる補助金の不正流用疑惑で、不正を告発した校長が解雇されることがわかりました。
菊川南陵高校をめぐっては学園長ら夫妻が、学校運営のための補助金を夫妻が経営する会社に不正に流用したとして先月、後藤雅典校長が刑事告発していました。
後藤校長によりますときのう、学校の事務職員から「解雇通知を投函する」と電話があったということです。
学校関係者によりますと、18日に評議員会と理事会が開かれ、内部資料を持ち出すなどの行為により学校の信用を失墜させたとして、後藤校長の解雇が決議されたということです。
菊川南陵高(菊川市)の後藤雅典校長は11日、同校を運営する学校法人南陵学園(同)の理事長と学園長が静岡県の補助金約1900万円を不正に流用したとして、背任と補助金適正化法違反容疑の告発状を県警に提出した。
関係者によると、2人は2017年、私立学校の運営などに関する県の補助金約1900万円を学園の口座から引き出し、2人が経営する焼津市の産業廃棄物処理会社の口座に振り込んだとされる。学園の理事会などの承認は得ていないという。後藤校長は取材に対し「学校を守るため、職員を代表して校長の私がやらなければならない」と話した。
■「確認した上で必要な対応」 県私学振興課
県私学振興課によると、菊川南陵高には2017年度、人件費や教育研究費などに充てるための私立学校経常費補助金約9千万円を年4回に分けて支出し、12月には1930万円を入金した。毎年8〜11月に各校を訪ねて補助金の適切な執行を調査しているが、同校を調査した際に不正は確認できなかったという。同課は「告発状を確認した上で必要な対応をとる。所管庁として生徒に影響がないように学校管理者を指導する」と話した。
校内に産廃営業所 補助金流用告発の校長会見 静岡
@S[アットエス] by 静岡新聞SBS 2018/10/12(金) 8:21配信
菊川南陵高(菊川市)を運営する学校法人南陵学園の理事長と学園長が県の補助金約1900万円を不正流用したとされる問題で、2人を背任容疑で県警に告発した後藤雅典校長が11日、静岡県庁で記者会見し、2人が経営する産業廃棄物処理会社(焼津市)が同校の事務室の一画に営業所を構えていることを明らかにした。
後藤校長によると、2016年6月ごろに突然、事務室に机などが搬入され、産廃処理会社の職員が常勤するようになったという。同社ホームページでは「菊川営業所」の所在地が学校と同じ住所になっている。後藤校長は「学校法人を私物化する極めて異常な事態」と批判した。
産廃処理会社は取材に「担当者が不在でコメントできない」、学園側も「理事長や学園長と連絡が取れない」とした。
県私学振興課は「目的や活動内容など実態を把握した上で、学校運営に支障を来していれば何らかの対策を講じる」と話した。
告発状によると、16年1月以降、計2億円超が学園の口座から引き出され、同社に貸し付けられていた。うち約2800万円は未返済という。2人は夫婦で、妻が理事長、夫が学園長を務める。
■朝から全校集会 学校関係者動揺
菊川南陵高(菊川市河東)の後藤雅典校長が11日、運営する学校法人の学園長らを告発した。突然の出来事に同校は朝から全校集会を開いて生徒に状況を説明し、授業は中止。一方、複数の学校関係者は運営法人と現場の関係のゆがみを吐露した。
関係者らによると、7年ほど前に前身の国際開洋学園が多額の負債を抱え、閉校が取りざたされた際、現学園長らは存続のために資金援助をし、運営を引き継いだという。学園長らは特にスポーツを通じた指導を強化し、一時は入学者が100人を超えるなど手腕に評価を得ていた。
一方で、自身の会社の社員を校内で働かせるなどしていた。学校関係者は「混同では、と疑問を抱いていた」と言う。別の関係者は「教職員への指導が厳しく、短期間で辞めてしまう人も多かった」と話した。