札幌・すすきののホテルで殺害された男性の頭部が持ち去られ、親子3人が逮捕・起訴された事件で父親の裁判員裁判が14日から始まり父親は無罪を主張しました。 田村修被告) 「違う点がいくつかあります」。 娘の殺人などを手助けした罪に問われている田村修被告。初公判で無罪を主張しました。 廣瀬美羽記者) 「現場は歓楽街にあるこちらのホテルです。男性は2階の一室で1人倒れているのを発見されました」。 おととし7月、札幌・すすきののホテルで当時62歳の男性が殺害され頭部が持ち去られるという前代未聞の事件。大きなスーツケースを持って被害者の男性と一緒に歩くのは殺害の実行犯とされ殺人と死体遺棄などの罪に問われている田村瑠奈被告。母親の浩子被告は死体遺棄ほう助などの罪に。そして、殺人ほう助や死体遺棄ほう助などの罪に問われているのが14日に初公判を迎えた父親の修被告です。 修被告は事件前にのこぎりやキャリーケースなどを購入して、娘の瑠奈被告に提供。さらに、瑠奈被告を自宅からホテル付近まで送り迎えし男性の殺害などを手助けしたとされています。 本間壮惟記者) 「札幌地裁には傍聴券を求め次々と人が入っていきます」。 世間の関心は高く、49の傍聴席に対し209人が整理券を求めて列を作りました。 60代) 「私も親なので、もしそうだったらと思うと考えるところもあるし、でも罪は罪というか」。 30代) 「みんなどういう考えなのかな」、「事件自体、不思議な事件だなと思ったので、気になるところがあったので」。 そして、午前11時に始まった裁判員裁判。 本間壮惟記者) 「上下黒色のスーツ姿で現れた修被告は、落ち着いた口調で起訴内容を否認しました」。 修被告) 「物品の購入については殺害に使うものと知りませんでした。」、「娘を車に乗せる時点で頭部があると知りませんでした」、「被害関係者により一層のご迷惑をおかけしたことは申し訳ないと思っています。すぐに警察がやってくると思い残された時間を娘と過ごすことで精いっぱいでした」。 検察側は冒頭陳述で「浩子被告と修被告は瑠奈被告の機嫌を常にうかがうなど瑠奈被告中心の生活だった」と指摘。さらに「瑠奈被告は被害者の男性と会う約束した日に修被告に「ディスカッション」を求めていて、その後修被告が凶器の折りたたみナイフなどを買っていることから修被告は瑠奈被告の殺害計画を事前から知っていた」などと主張しました。 一方、弁護側は・・・ 弁護士) 「瑠奈さんによる殺人や死体損壊の意図を事前には知らなかった以上ほう助罪は成立しない」。 さらに、「瑠奈被告が自宅に被害者の頭部を持ち込んだ時点で死体遺棄という犯罪行為は終了しており、修被告が死体遺棄をほう助したと認定することはできない」などとして無罪を主張しました。