「天が送ってくれた大統領」 尹氏の誕生日に示した警護庁の「忠誠」

内乱容疑で逮捕状が請求されている尹錫悦(ユンソンニョル)大統領を礼賛する「替え歌」が韓国で話題を呼んでいる。尹氏の警護を担う大統領警護庁が音楽家の協力を得て制作し、尹氏の誕生日に披露したという。尹氏に対する行きすぎた忠誠ぶりを示す事例として批判的に報じられている。 「新しい大韓民国のために、天が私たちに送ってくださった大統領が生まれた意味深い今日を、私たち皆が祝う」 複数の韓国メディアによると、この替え歌は、尹氏の63歳の誕生日だった2023年12月18日に開かれた警護庁創設60年を祝うイベントで披露された。有名ミュージカルのメロディーに尹氏を褒めたたえる歌詞がつけられた。事前に音楽家によって録音され、当日はこれに合わせて職員が合唱したという。 このイベントの責任者は当時、警護庁長だった金竜顕(キムヨンヒョン)・前国防相で、企画管理室長だった金声勲(キムソンフン)次長が企画したという。 金前国防相は「非常戒厳」を尹氏に建議したとされる側近で、内乱の重要任務に従事したなどとして起訴されている。金次長は、警護庁が3日、尹氏の拘束を阻止した際に中心的な役割を果たしたとみられている。 金次長は17日、尹氏の拘束令状の執行を妨害した疑いで警察に拘束された。出頭の際、記者団から予算や人員の「私的流用」ではないかと問われた金次長は「逆に皆さんは誕生日に、友達がお祝いパーティーを開いたり、誕生祝いの歌を歌ってくれたりしてくれませんか」と反論したという。(ソウル=太田成美)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする