新宿・歌舞伎町のネオン煌くホテル街。夜の9時すぎ、送迎のため同地を訪れたタクシードライバーの男性は、突如として現れた一軒のラブホテルを目撃した瞬間、思わず声が出そうになった。 視線の先にあるのは、建物の周囲に積み上げられた大量のゴミ。空き缶やペットボトルが入ったビニール袋のほか、壊れたスーツケースや年季の入ったオフィスチェアが捨てられている。 さらに色落ちしたUberEatsのリュックや、4、5台の折りたたみ自転車なども捨てられている。なかには50インチの液晶テレビや、金魚が泳いでいる水槽までも路上に放置されていた。 「いったい誰がこんなことを……」 その様子をしばらく眺めていた男性は、白いビニールシートで覆われたホテルの入口からガサゴソという物音を耳にする。この中に誰かいるーー。そんな気配を感じたが、あまりの不気味さにその場を急いで後にした。