「私は犯人ではありません」…初公判で無罪主張「63歳男性をメッタ刺し殺害」被告教師の意外な評判

「身に覚えがありません。私は犯人ではありません」 1月16日に東京地裁で行われた初公判で、殺人と住居侵入に問われている尾本幸祐被告(38)はこう供述し無罪を訴えた。尾本被告は東京都江戸川区内の公立中学校教師(現在は休職中)だ。’23年2月に、中学校近くの住宅へ侵入し住人男性Aさん(当時63)を殺害したとされる。 「冒頭陳述で検察側は、事件現場近くの防犯カメラに映った犯人の姿と尾本被告の特徴が一致すると主張しました。被告が学校の退勤時刻を犯行時間より後に変更したのは、アリバイ工作だとも。一方の弁護側は、尾本被告は事件当時自宅にいて殺害に関与していないとしています」(全国紙司法担当記者) 本誌記者は事件直後に現場を取材。近隣住民からは、尾本被告の意外な評判を聞いていた。住民の話を紹介する前に、トラブルを振り返りたい。 ◆「血だらけの人が倒れている」 「事件当日夕方6時半ごろ、尾本被告が侵入したとされるのは勤務する中学校から150mほど離れた住宅です。当時は無施錠でした。警察によると金品窃盗の目的だったとか。しかし、犯人は帰宅したAさんと鉢合わせ。顔や首など20ヵ所ほどをメッタ刺しにして殺害したとされます。 同居していた認知症をわずらうAさんの80代の母親が、助けを求めた通行人が『血だらけの人が倒れている』と110番通報して事件が発覚しました。現場周辺の防犯カメラには、全身黒ずくめの尾本被告らしき人物が映っています。警察によると、犯人がAさん宅にいたのは10分ほどだったそうです」(全国紙社会部記者) 尾本被告が東京都の教員に採用されたのは’10年4月。’22年4月から事件当時在籍していた中学校で働いていたが、住宅ローンなどでカネに困っていたとされる。 だが本誌記者が騒動直後に近隣住民から話を聞くと、凶悪犯罪容疑で逮捕されたとは思えない意外な素顔が明かされた。 ◆「おはようございます!」 当時の住民の証言だ。 「(当時は)奥さんと3人のお子さんの5人で暮らしていました。中学へは毎日スポーティな自転車に乗って通っていましたね。『(尾本被告のほうから)おはようございます!』と気さくに声をかけてくださる感じの良い方ですよ。雪かきを手伝ってもらったこともあります。殺害事件を起こしたと聞いて信じられない思いです」 神奈川県警の元刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が、今後の裁判の見通しについて解説する。 「検察は、被告の明確な自供がないため状況証拠の積み重ねで起訴に踏み切ったのでしょう。弁護士のアドバイスで最近は供述をしない、もしくはひたすら容疑を否認するケースが多いんです。有罪か無罪かは、検察が提示する状況証拠の強さによるでしょう」 近隣住民の評判が良かった中学校教師にどんな判決が下るのか、裁判員裁判の判断が注目される。

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