トランプ氏の米大統領就任で世界は良くなる? LGBT・移民・環境…欧米の「行き過ぎた」政策を修正 石破首相は乗り遅れるな

【ニュース裏表 平井文夫】 ドナルド・トランプ氏が、第47代米大統領に就任した。不法移民の流入阻止や、電気自動車(EV)普及策の縮小などには賛成だが、輸入品への関税をどこまでかけるのか少し心配だ。21日付の産経新聞は「トランプ氏という大きな変数が世界を揺るがす」と書いたが、「またトラ」は世界をどう変えるのか。 実は、就任前から良い方の「トランプ効果」がいくつか出ている。イスラエルとイスラム組織ハマスとの「ガザ停戦」はさまざまな要因があるが、トランプ氏による圧力もその大きな一つだ。 韓国では尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が逮捕され、次期大統領に「親中反米」とされる李在明(イ・ジェミョン)氏が選出されるとの見方もある。ただ、先日専門家に聞いたところ、「李氏が勝っても、ロシアと北朝鮮の接近やトランプ復活により、文在寅(ムン・ジェイン)政権のような左派的な政策を行えないのではないか」という趣旨の話を聞き、なるほどと思った。 最近、中国がやたら日本に「にじり寄って」くるのもトランプ効果だ。強敵トランプの復活に備えて、習近平国家主席は日本に関係修復のシグナルを送っている。中国は困っているのだから、うまくそれを利用すればいいと思うが、デレデレしてはダメだ。相手は日本の領土を脅かし、邦人を説明もなく拘束している国だということを忘れてはいけない。 さて、わが日本はトランプ氏とどう付き合っていけばいいのか。 先週話を聞いた日本の外務省高官は意外に楽観的だった。「事務レベルで日米の齟齬(そご)はなく、議会公聴会での閣僚候補の発言も至極真っ当だった。トランプ氏に驚くような発言がないとは言わないが、評判ではなく実績で判断したい」ということだった。 中国への追加関税に注目が集まるが、トランプ氏は習氏との関係強化を目指し、早期訪中に意欲を見せているという。トランプ氏はディール(取引)の人なので、まさに実績を見ないと分からないと思う。 ただ、実績以前に「トランプ氏が必ずやるであろう」と容易に想像できるものもある。例えば、トランスジェンダーの権利保護に関する政策の撤廃については、これまで何度か言及してきた。欧米では政権交代など政治の混乱が相次いでいるが、インフレによる物価高とともに、LGBT、移民、環境など一部の行き過ぎた政策に対する保守派の怒りがその原因とみられている。

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