リング上でチャンピオンベルトを肩にかけ、笑顔を見せる男。 ボクシング世界バンタム級の元チャンピオン・薬師寺保栄容疑者(56)です。 薬師寺保栄容疑者(2006年12月): ボクサーというのは、人のことを憎くて相手のことをたたくんじゃないですからね。 かつて、日本中を興奮させた世界チャンピオンが、女性にけがをさせた疑いで逮捕されました。 使われたのはこぶしではなく、物干しざおでした。 この事件は25日、愛知・名古屋市内の自宅で20代の女性を物干しざおで殴るなど、顔にけがをさせ、駆けつけた警察官に現行犯逮捕されたもので、女性は軽傷だということです。 薬師寺保栄容疑者(2006年12月): 強けりゃいいってもんでもないと思うんですよね。強ければなんでも言っていいのかということではないと思うんですよね。だからもっとスポーツを通じて、人の痛みがわかるチャンピオンになってほしいですよね。 会長を務めるジムのホームページでは、「薬師寺」と書かれたはちまきを巻き、鍛え抜かれた上半身をアピールしていました。 薬師寺保栄容疑者(2005年5月): 毎日の鍛錬が人を助けることにつながると聞いたことがあります。僕らの世界も一緒で「日々鍛錬」これが常識なんです。 薬師寺容疑者は、1993年にボクシングのWBC世界バンタム級の王座を獲得。 その翌年に行われた辰吉丈一郎さんとの日本人対決は激闘となり、多くのボクシングファンを熱狂させました。 現役引退後は芸能界でも活躍し、2007年には名古屋市にボクシングジムを開業しました。 過去にジムに通い、薬師寺容疑者を知る男性は「すごく気さくで優しい人でした。ボクシンググローブにサインをお願いしたら、いいよいいよって言って。元世界チャンピオンですし、かっこいいイメージはあったので、ちょっと残念だなというのはあります」と語りました。 薬師寺容疑者の所属事務所は27日、公式ホームページで「現在、事実関係について確認をとっております。大変ご迷惑とご心配をおかけしておりますこと、心よりおわび申し上げます」と声明を発表しました。