警察官を名乗る人物から届いたのは“偽物の逮捕状”でした。特殊詐欺の被害に遭った札幌の男性が、犯行の手口を語りました。 被害男性 「老後のための資金が無くなった。今後の対策どうしようかと…」 札幌に住む70代の男性です。 今年1月、特殊詐欺で約370万円をだまし取られました。 ことの発端は1月17日、警視庁の警察官を名乗る人物らからかかってきた、1本の電話でした。 その人物は、電話口で、こんな話を伝えてきたのです。 《警察官を名乗る人物》 『国際マネーロンダリング事件で、あなたが作ったカナダの銀行口座が利用されている』 『あなたは謝礼をもらっているはずだ』 男性は、そもそも“カナダの銀行口座”など、身に覚えがないことを伝えます。すると警察官を名乗る人物は、こう告げました。 被害男性 「(警察官を名乗る人物は)『緊急逮捕にかかわってくる。300人の容疑者を一気に検挙するので。もうそろそろ、お宅に逮捕状が届いてるはずだ。玄関先に出てみてください』と言われた」 自宅のポストには、封筒に入った偽物の逮捕状が届いていました。 本来、逮捕状は警察官から本人に直接提示されるもので、投かんされることはありません。 被害男性 「東京地方裁判所、判事が佐々木なんちゃらという形で、印鑑をちゃんと押してる」 「初めて(逮捕状を)見ているので、これが本物かまったく(判断が)つかないわけですので」 その後、警察官を名乗る人物から、次のような指示がありました。 《警察官を名乗る人物》 『あなたが持っているお金が犯罪に使われているかチェックするので、全額を振り込んで欲しい』 被害に遭った男性は、指定された口座に4回に分けて、約370万円を振り込みました。 しかし、その後も。振り込みの指示が続いたことなどから、不審に感じた男性が、警察に相談し、事件が発覚しました。 被害男性 「こちらは完全にパニックになってる状態で、相手を疑うというよりは、懸命に自分の無実をどうやって証明したらいいのか。 そちらの方に話がいってしまう」 「調べれば、いろいろと(詐欺被害の)ケースが出てくるので、調べて下準備しておくことで、だいぶ防げると思う」 今年に入り、北海道内で発生した特殊詐欺の件数は、1月末の時点で、去年の約15倍となる46件に急増。 被害額は、約50倍の7800万円にのぼっています。 札幌西警察署 生活安全課長 前田高伸警部 「最近は若いかた、30代、40代でも、詐欺の被害に遭うかたが増えてるので、年代にかかわらず、自分がいつ、そういう被害にあうかわからないという心構えを持って対応してほしいと思います」 警察は、不審な連絡があった場合は迷わずに、警察相談ダイヤル【#9110】に相談するよう、呼び掛けています。