藤本隆宏、広瀬すずとのシーンは「心の中で『ごめんなさい』と思いながら演じることも」<クジャクのダンス、誰が見た?>

金曜ドラマ「クジャクのダンス、誰が見た?」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系/U-NEXT、Nettflixで配信)の第5話が、2月21日(金)に放送される。このほど、本作で広瀬すず演じる山下心麦の父・春生(リリー・フランキー)の捜査一課時代の部下・赤沢正を演じる藤本隆宏にインタビューを敢行。自身の役柄についてや、広瀬ら共演者の印象などについて語ってもらった。 ■「このマンガがすごい!2024」ランクインの大人気漫画が待望のドラマ化 本作は、月刊漫画雑誌「Kiss」(講談社)にて連載中で、「このマンガがすごい!2024」(宝島社)オンナ編の第4位にランクインした浅見理都の同名漫画をドラマ化。クリスマスイブの夜に元警察官の父親を殺された娘が、遺された手紙を手がかりに真相に迫る姿を描くヒューマンクライムサスペンスだ。 父が殺された理由を追う大学生・山下心麦を広瀬が演じるほか、心麦と共に事件の真相を追う弁護士・松風義輝役を松山ケンイチ、殺された心麦の父・山下春生役をリリー・フランキー、心麦を執拗に追う週刊誌の記者・神井孝役を磯村勇斗が務める。 さらに、心麦を取り巻く人物として松風の弁護士事務所の共同経営者・波佐見幸信役に森崎ウィン、心麦と春生が通う屋台ラーメン店の店主・染田進役に酒井敏也、心麦の母・山下静香役に仙道敦子、心麦の伯母・木村夏美役に原日出子、心麦の小学校時代からの友人・ありさ役に清乃あさ姫、春生の捜査一課時代の部下・赤沢正役に藤本隆宏、赤沢の妻・赤沢京子役に西田尚美、その息子・赤沢守役に野村康太が決定。 事件に関わる人物にも、検事・阿南由紀役の瀧内公美、捜査一課の若手刑事・秋貞隆雄役の絃瀬聡一、東賀山署の刑事・西陣誠役の斉藤優、22年前に起こった一家惨殺事件の犯人として逮捕された死刑囚・遠藤力郎役の酒向芳、遠藤の息子で春生を殺害した犯人として逮捕される遠藤友哉役の成田凌ら、豪華キャストが集結。謎が謎を呼ぶストーリーを盛り上げていく。 ■広瀬すずは「悲しみの表現が非常に上手な女優さん」 ――赤沢をどのように演じていますか? これまでも刑事役を多く演じてきましたが、その中でも赤沢は手荒な真似をする古いタイプを求められているので少し不思議な感覚です。台本には自分なら言わないようなセリフもあり、その気持ちに持っていくのが難しい部分もありますね。 また、他のキャストとは異質な存在として、演技も全く違うものを求められています。最初は「自分が犯人かもしれない」と思いながら演じていましたが、途中で「違う人が犯人かも」と感じるようになり、しかし最近になって「やっぱり自分が犯人では?」と思うようになったりと、役の中で揺れ動いています。 「揺れながらも揺れていないように見せる」という意識で赤沢を演じていますが、100%迷いがないわけではないので、その曖昧さが視聴者にとって面白く感じてもらえているのかもしれません。きっと赤沢の名前が皆さんの犯人予想で上がる理由にもなっているんでしょうね。ただ、一貫して「警察としての信念を貫く」という軸は大切に演じています。 ――絃瀬聡一さん演じる部下の秋貞隆雄と行動をともにすることが多いですが、絃瀬さんはどんな方ですか? 自分の演技プランに合わせてくれたり、こちらの表情をしっかり見てくれていたりと、すごく頼れる俳優です。彼も自分の道をしっかりと進みながらも、こちらを見てくれているなと感じます。同じ福岡出身ということもあり心強いですし、撮影の合間も後輩として接してくれます。 ――広瀬すずさんとは初共演ですが、どんな印象を持っていますか? 悲しみの表現が非常に上手な女優さんです。目の奥にある芯の強さや、悲しみを堪えている演技が素晴らしく、見ていると吸い込まれるような感覚になります。心麦ちゃんという役柄にもぴったりで、芝居がしやすいです。 ――赤沢にとって心麦はどんな存在ですか? 先輩の娘として気にかけているつもりですが、セリフの中ではそうは思えない言葉も多くて苦しい部分もあります。「お前はな…」と冷たく言う場面では、心の中で「ごめんなさい」と思いながら演じていることもあります。でも、決して心麦ちゃんにとって邪魔な存在ではなく、純粋に心配している。ただ言葉選びが下手な刑事として見られるよう意識して演じています。 ■「『疑わずに信じる力』というのは美しいものだなと感じます」 ――妻・京子を演じる西田尚美さん、息子・守を演じる野村康太さんは? 家庭では不器用な父親として存在していますが、西田さんが明るい方なので、救われている部分もあります。でも最近は「騙されているんじゃないか」と思ったりもして…(笑)。 野村くん演じる守も何か重要な鍵を握っているだろうと思っているので、芝居を観察するようにしていて。でも自分が犯人かもしれないので、なんとも言えないです(笑)。(自分が出演している)ドラマでこんなに(誰が犯人なのか)分からないことってなかなかないですよね。 ――これまでの放送で印象に残っているシーンはありますか? 手を見つめたり、目のクローズアップなど、パーツに焦点を当てた演出が印象的です。また、色合いの美しさは際立っていると感じますし、音楽の使い方も素晴らしいですね。1話を見たときに、「こんなに素敵な作品に出演できているんだ」と改めて実感しました。キャスト・スタッフのチームワークの良さも感じられ、本当に素晴らしい作品だと思います。 ――「信じること」がキーポイントになっているドラマですが、藤本さん自身が何かを信じるときに大切にしていることは? 信じる、信じないではなく、「信じることの心地よさ」を大事にしています。たとえ騙されても、信じられることがあるのは幸せなことだと思うんです。 ドラマでは、心麦ちゃんが(父親の)山下さんを信じ続ける姿がとても素敵ですよね。その気持ちには共感できますし、「疑わずに信じる力」というのは美しいものだなと感じます。赤沢が信じているのは…やっぱり「正義」でしょうか。 ――今後の見どころは? 今後は回想シーンが増え、松山ケンイチさん演じる松風義輝や山下さんとの関係が明らかになっていきます。自分の生い立ちが描かれるわけではありませんが、過去の出来事が今の赤沢を作ったことが伝わる展開になっていると思います。 また、新しいキャラクターも次々と登場し、物語が答え合わせに近づいていきます。刑事としての信念がどう変化していくのかも、ぜひ注目してほしいです。

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