八戸市のみちのく記念病院で、殺人事件を隠蔽しようとした疑いで元院長らが逮捕された事件を巡り、青森県と八戸市は病院に対し、改善勧告の行政指導を行いました。 【宮下知事】 「青森県からは、構造設備の一部について医療法に規定する許可を受けることなく変更・使用しているという事実について、改善勧告をしています」 県と市は2月、2回にわたってみちのく記念病院で臨時の立ち入り検査を行いました。その結果、一部の常勤医師の勤務実態と記録に整合性がないことや、病室の定員を超えて患者を収容していることなどが判明しました。 八戸市保健所には7日午後、病院の責任者が訪れ、行政指導の文書を受け取り、その際、おわびの言葉を述べていたということです。 県は今後、行政処分も視野に検討するとしています。 一方、青森地方検察庁は、当時の院長・石山隆被告(61)と、その弟で殺害された男性の当時の主治医・石山哲被告(60)を犯人隠避の罪で起訴しました。 2人は、2024年3月、病院内で殺人事件が発生したことを知ったのに、警察署に届け出ず、死因を「肺炎」とする虚偽の死亡診断書を遺族に渡し、犯人を医療保護入院させるなど、事件を隠そうとした罪に問われています。 捜査関係者によりますと、病院の家宅捜索などで同じ医師の名前が記載されている死亡診断書が200枚以上押収されていて、死因のおよそ7割が「肺炎」と書かれていました。 警察が事件の全容解明に向けて、捜査を続けています。