親パレスチナ活動家の逮捕は「言論の自由の問題ではない」 ルビオ氏

【AFP=時事】マルコ・ルビオ米国務長官は12日、親パレスチナ活動家マフムード・カリル氏の逮捕は、言論の自由を擁護するドナルド・トランプ政権の立場と矛盾しないとの見解を示した。 ルビオ氏は、サウジアラビア訪問後に給油のため立ち寄ったアイルランド・シャノン空港で記者団に応じ、先週末のカリル氏の逮捕について「これは言論の自由の問題ではない」「そもそも米国に在留する権利を持たない人々に関する問題だ」と述べた。トランプ政権の動きが欧米における表現の自由の擁護姿勢と矛盾しているのではないかとの質問への回答。 カリル氏はコロンビア大学での親パレスチナデモの主導者の一人で、同大学を最近卒業した。同大学の学生自治会や弁護士は、同氏がグリーンカード(永住権)を所持していると主張したが、それにもかかわらず移民局に逮捕された。 カリル氏の逮捕を受けて、ニューヨークでは抗議デモが行われ、人権団体も怒りを表明した。 こうした動きについてトランプ氏は、同政権は「テロリストを支持する反ユダヤ・反米活動」を容認しないと述べ、親パレスチナデモに参加する全米の学生を非難。カリル氏の逮捕は、今後続く多くの逮捕の最初の一例にすぎないとSNSで警告した。 ルビオ氏は、「学生ビザを取得するのは誰にとっても当然の権利ではない。グリーンカードも同様だ」「米国に来るときはビジターとして来ることになる。ビザというのはそういうものであり、この人物もビジタービザで入国したのだから、滞在中はビジターにすぎない」と述べた。 さらにイスラム組織ハマスに言及し、「『ビザ申請時にこんにちは。私は学生ビザで米国に入国しようとしている。私はハマスの熱心な支持者だ』と言えば、わが国はその人物を拒否することができる」と述べた。 米国土安全保障省(DHS)はカリル容疑者の逮捕について、「ハマスに関連する活動を主導した。ハマスはテロ組織に指定されている」とし、「国務省と連携して行った措置だ」と説明している。 コロンビア大学では昨年、イスラエルのパレスチナ自治区ガザ地区での壊滅的な軍事作戦に抗議するデモが始まった。キャンパス内で緊張が高まり、全米の大学にデモが広がるにつれて、メディアの注目を集めた。 一部のデモ参加者は暴徒化し、キャンパスの建物を占拠。イスラエルの行動に抗議する学生たちはしばしば、親イスラエル活動家(多くはユダヤ人)と対立した。 親パレスチナデモについてトランプ氏や共和党議員らは、米国がテロ組織指定するハマスへの支援だとして非難している。ハマスは2023年10月7日、イスラエルに越境攻撃を仕掛け、ガザ紛争を引き起こした。【翻訳編集】 AFPBB News

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