ドジャース・大谷翔平投手(30)が13日、チームメートとともに、キャンプを行っていた米アリゾナ州からチャーター機で羽田空港に到着した。ナインは空港内を“VIP動線”で移動したため姿は見られなかったが、1000人以上のファンが集結して出迎えた。ドジャースは14日に公式練習。15日に巨人、16日に阪神とプレシーズンゲームを戦い、18、19日には12日深夜に一足先に来日したカブスとの開幕2連戦(ともに東京D)を迎える。 ついに大谷が日本に降り立った。米アリゾナ州のフェニックス国際空港から現地時間12日に出発。チームのチャーター機で、約9300キロの距離を12時間ほどかけて午後3時頃、羽田空港に到着した。すぐに自身のインスタグラムを更新し、上空からの写真などとともに「ただいま。」と言葉を添えた。大谷は昨年のキャンプイン前にもプライベートで帰国していたが、公式に日本に戻るのは23年3月のWBC以来約2年ぶりとなった。 大谷フィーバーは早くも巻き起こった。羽田空港は混乱が予想されるためマスコミの取材が禁止されたが、それでも1000人以上のファンが到着ロビーに集結し、ごった返した。 前日12日の深夜に来日したカブスナインは、特別に設置された高さ2メートル以上のパーティションの裏側を通ってバスに乗り込んだ。ファンから選手の姿は見えなかったが、それでも期待感をあおるには十分だった。この日も同様にパーティションが立てられ、多くの警備員も配備された。空港内では「有名人の出待ち行為は、ほかのお客さまのご迷惑になり、空港保安の妨げとなりますので、ご移動いただきますようお願い致します」とアナウンスされるほどだった。 だが、待てど暮らせどド軍ナインがパーティション裏を通った様子はなく、大きな混乱もないまま時間が過ぎた。カブスナインとは別のルートの、VIP用の特別動線で移動したとみられる。混乱を未然に防ぐためにフェイントをかけた空港側の“陽動作戦”は成功。昨年3月の韓国シリーズの際には、仁川空港でロバーツ監督に卵が投げられて逮捕者が出る騒ぎも起きた。教訓も生かした形で、厳戒態勢が敷かれた。 日本でプレーするのは、23年3月16日のWBC準々決勝イタリア戦以来。15、16日にプレシーズンゲームの巨人、阪神戦に出場し、18、19日の開幕シリーズ・カブス戦(ともに東京D)へ向かう。14日はファンも見られる公式練習がある。東京Dはベンチ裏の打撃練習のスペースが限られているため、今回のシリーズ中に、今春のキャンプでも1度しか行わなかったグラウンドを使用したフリー打撃を行う可能性もある。フィーバーは過熱していくことが確実だ。 米アリゾナ州でのオープン戦は7試合に出場して、菊池(エンゼルス)からの本塁打を含めて18打数6安打の打率3割3分3厘で1本塁打、2打点。出発前には球団公式SNSで、機内の過ごし方を問われて「Just sleep(寝るだけ)」と答えていた。投手として日本のマウンドに立つことはできなかったが、打者としての仕上がりは上々だ。「もちろん特別。日本の野球ファンの人にとっても特別じゃないかな」と日本開幕を心待ちにしていた大谷。“ショータイムinトーキョー”がいよいよ始まる。(安藤 宏太)