邦画の祭典「第48回日本アカデミー賞」の授賞式が14日、東京都内で行われ、「正体」の横浜流星(28)が最優秀主演男優賞、藤井道人監督(38)が最優秀監督賞を受賞。「キングダム 大将軍の帰還」は大沢たかお(57)の助演男優賞など、最多4部門で最優秀賞に輝いた。 横浜が10年来の〝親友〟である藤井監督への思いを結実させた。 2020年のアカデミー賞では自身が新人俳優賞、藤井監督が「新聞記者」で最優秀作品賞を受賞。横浜は「そのとき『一緒にこの場に立ちたい』と思い、今回、藤井組でこの場にいられることに大きな意味がある」と胸を熱くした。 「正体」では一家惨殺事件の犯人として逮捕されるも、脱獄して複数の別人になりすましながら潜伏する難役を体現。「本気で身命を賭(と)す覚悟で芝居と向き合っている。映画業界のさらなる発展のために尽力します」と誓いを立てた。 藤井監督は最優秀監督賞を初受賞。フリーランスの下積み時代を経て現在の地位を築き、「これからもインディーズスピリッツで映画を作り続けたい」と宣言した。 最優秀助演男優賞の大沢は、体重を20キロ増量し演じた王騎役が話題に。「主演の山﨑(賢人)くんをはじめ、スタッフにもずっと助けられながら演じた」と感謝した。 最優秀主演女優賞は「あんのこと」で薬物中毒などにもがく少女を熱演した河合優実(24)、最優秀作品賞はたった1館での公開から旋風を巻き起こした安田淳一監督(58)の「侍タイムスリッパー」が受賞。「ミッシング」で優秀主演女優賞に選出された石原さとみ(38)は、7日に第2子妊娠を発表後初めて公の場に登場し、映画ファンに元気な姿を見せた。(渡邉尚伸)