■特殊詐欺検挙者のうち41.8%が「闇バイト」きっかけ 闇バイトに巻き込まれる者が後を絶たない。かつては、ワンチャンゲット(ワンチャンスある金儲け)と、犯罪性の認識がありつつ闇バイトに加担していた者が多かったが、最近では、一般の求人に応募したら闇バイトだったというケースが報告されている。 闇バイトは、トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)が組織しているが、裏社会の事情通によると、昨今、トクリュウも二極化が進んでいるという。 つまり、ローリスク・ハイリターンなSNS型投資詐欺やロマンス詐欺がいる反面、未だにハイリスクな闇バイトを使った強盗等に従事する者たちがいるということだ。前者は、ネット上のアカウントを消去すれば追跡が困難になるが、後者は、携帯履歴等の証拠が残る。万一、逮捕されたら刑が重く割に合わないため、ハイリスクである。 しかし、カネに詰まった犯罪組織は、あらゆる方法で闇バイトを募り、強盗などを敢行し、凶悪化する傾向がある。強行犯の場合は、闇バイト応募者のトレーニングが不要であり、即日、犯罪の実行役として稼働できる。 警察庁が、2023年1月から12月までに特殊詐欺の現金の受け取り役や引き出し役、運搬役として、全国の警察が検挙した2373人について犯罪に加わった経緯を調査したところ、SNSなどで実行犯を募る「闇バイト」がきっかけだったとみられるのが991人と、全体の41.8%を占めた。次いで「知人等紹介」が763人で32.2%であった。 「正規の求人サイト」に掲載されていた仕事に応募したことがきっかけだった者も82人にのぼっている(令和6年版『警察白書』)。 10月以降、首都圏で相次いだ強盗事件が世間の耳目を集めた。この事件までは「」という言葉で闇バイトが募集されており、犯罪性を隠す傾向にあったことから、若者の闇バイト加入が相次いだ。一連の強盗事件で逮捕された者は40人にのぼる。