トルコリラか過去最安値、株・債券も急落 野党有力政治家拘束で

[イスタンブール 19日 ロイター] – 19日の外国為替市場でトルコリラが対ドルで一時12.7%下落し、過去最安値となる1ドル=42リラを付けた。トルコ当局が野党の有力政治家を拘束したことが嫌気された。債券や株式も大幅安となった。 トルコの検察当局は同日、エルドアン大統領の最大の政敵であるイマモール・イスタンブール市長を汚職やテロ組織への資金提供などの容疑で拘束した。主要野党の共和人民党(CHP)はイマモール氏を次期大統領選候補に近く選ぶ予定だった。 0854GMT(日本時間午後5時54分)現在、リラは1ドル=39.3リラと、18日終値の36.67リラから下落している。 外貨建てトルコ国債も売られ、満期までの期間が長い債券の下げがきつくなった。2045年満期債は1.5セント安の85.13セント。 INGの欧州・中東・アフリカ担当為替・債券ストラテジスト、フランティセク・タボルスキー氏は「今朝は大統領候補と目されるイスタンブール市長が逮捕されたことを受け、債券と為替が圧力を受けている」と述べた。 「(トルコリラは)現時点では、新興市場通貨の中でキャリー取引が最も集中しているとみられ、急激な変動はさらなる資本流出につながる可能性がある。ただ、国内銀行が為替に関して何らかの支援を行うだろう」と語った。 法の支配に対する懸念から株式も急落した。イスタンブール証券取引所では、BIST100指数が取引開始直後に6.87%下落した。「サーキットブレーカー」が発動され、取引が一時中断された。 0753GMT時点で、BIST100は4.97%安。銀行株指数は7.57%安。 ALBヤティリムのアルゴリズム運用マネージャー、セルハト・バスクルト氏は「イマモール氏の学位が取り消され、拘束されたことで、売り注文が殺到した」と指摘した。「ここ数日、外国人投資家の資金流入はあったが、政治的不透明感が強まり、外国人投資家がトルコから撤退するのではないかという懸念が高まっている」と述べた。 同氏は株式市場の下落が数日続くとの見方を示した。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする