拘束されたタイの警察施設から出てきたのは、金髪に短パン姿の男。 メディアの問いかけを嫌がるように、手で払いのけます。 カンボジアなどを拠点とする詐欺グループの幹部・冨沢哲也こと山口哲哉容疑者(46)です。 山口容疑者は「関東連合」の元メンバーで、バンコクにある高級住宅街で身柄を拘束されました。 3月14日、タイの首都バンコクで身柄を拘束された際には、誰かに電話をかけている様子がカメラに捉えられていました。 身柄拘束時の様子を目撃したバイクタクシーの運転手は、「警察が半日待っていて、夕方、犬を連れて出てきたところを拘束した」と証言します。 現地の警察は山口容疑者に、日本からの逮捕状らしき書類を示していたということです。 その山口容疑者には、カンボジアの首都プノンペンにある日本料理店の実質的なオーナーという別の顔もあります。 テーブルに並ぶのは、白身魚・キノコ・白菜などが入った鍋に、魚の煮付け。 この日本料理店「胡蝶」は、詐欺グループの拠点に弁当を配達していたといいます。 「胡蝶」で撮影された動画には、Tシャツ・短パンにサングラスというラフな格好で、部下とみられる人物らに指示する様子が収められていました。 2023年、胡蝶を独自に取材した際の映像からは、壁に青森・大間産のマグロを仕入れた際のステッカーなど、高級食材も扱っていたことが見てとれます。 店は2023年、プノンペンのアパートにあった特殊詐欺グループの拠点で日本人20人以上が拘束された直後、突如閉店しました。 山口容疑者のものとみられるSNSには、中東ドバイの高層ビルをバックにポーズを決める様子や、背中に入った巨大な鯉の入れ墨を見せる写真などが投稿されていました。 タイ警察は、山口容疑者がカンボジアの他、タイやミャンマー、ベトナムを行き来しながら特殊詐欺に関わっていた可能性もあるとみて、日本の当局と連携して捜査を進めています。