オウム真理教による地下鉄サリン事件の発生から20日で30年。いまだ後継団体の施設がある金沢市では事件の風化を防ごうと啓発のチラシ配りが行われました。 「おはようございます!地下鉄サリン事件から30年が経ちました。ここから歩いて15分くらいのところに施設があります。僕たち撲滅運動をしています」2 0日午前、金沢駅前で配られたチラシ。そこに記されていたのは地下鉄サリン事件の文字です。 1995年3月20日。都内の地下鉄車両内で「オウム真理教」の信者らが猛毒の「サリン」を散布。14人が死亡し、およそ6300人が負傷するという日本の犯罪史に残るテロ事件となりました。事件から19日後には実行犯の1人で教団幹部の林郁夫受刑者が県内で逮捕される事態に。林受刑者は偽名を使い、穴水町の貸し別荘に身を隠し潜伏していたといいます。林受刑者が事件への関与を自供したことが教祖の麻原彰晃こと松本智津夫元死刑囚の逮捕につながりました。 一方で松本元死刑囚の逮捕後もオウム真理教の影は県内に残り続けています。残った信者たちは金沢市内を転々としながら活動を続け、現在は金沢市昌永町のビルを拠点としています。この団体は「山田」と呼ばれる女性信者が中心となっていることから「山田らの集団」と呼ばれています。20日はこのビルの近くに住む住民たちで作る対策協議会のメンバーや県警など25人ほどが事件について書かれたチラシ500部を配りました。 金沢オウム真理教対策協議会 畠善昭会長: きょうは(事件から)30年ということでこれ以上(事件を)風化させてはいけないということで我々は心を一つにしてやっています チラシを受け取った人は…。 通行人: (事件当時は)娘の受験があって娘を県外に出すのにすごく気を張りました。(事件を)知らない人が増えてきているから(こうした活動は)いいと思いますよ 畠善昭会長: 若い人はほとんど事件のことをわかっていないので次世代に引き継いでいくのが我々の大きな責務だと思っています 事件から30年。知らない若者が後継団体に勧誘されるリスクも増加。若い世代に事件を伝えるため公安調査庁ではSNSを使って動画も発信している。公安調査庁は後継団体を監視し今後も活動実態を把握していく方針です。