米共和党のミネソタ州上院議員の男が〝おとり捜査〟の網にかかり、児童売春をそそのかした疑いで逮捕、起訴された。男は逮捕直前、トランプ大統領を批判する左派を「トランプ錯乱症」と診断するための州法改正案を提案し、熱烈なトランプ派の喝采を浴びていた。男は党支部の勧告を受けて議員辞職。劇的な展開を米メディアは速報した。 男は、ジャスティン・アイコーン被告(40)。州上院議員には2016年に初当選し、逮捕時は3期目だった。 AP通信によると、アイコーン被告が17歳の少女を装う警察官と連絡を取り始めたのは今月11日。性行為の価格を尋ねたり、写真を求めたりした後、17日に〝少女〟と会うために待ち合わせた場所で逮捕された。おとり捜査は米国では合法だ。 現地からの報道によると、アイコーン被告が逮捕されたのは17日に「トランプ錯乱症」法案を同僚議員と共同提案した「数時間後」のことだった。 法案は、トランプ錯乱症を「正常な人がトランプ氏の政策や大統領としての職務に反応して起こす急性のパラノイア(偏執病)」と定義する。トランプ氏に対する「激しい敵意」や支持者への「暴力行為」として表出される可能性もあるとしている。 リベラル派は法案に反発。州上院の民主会派トップのエリン・マーフィー議員は「言論の自由への冒涜であり、権威主義的な大統領への危険な忠誠心の表れだ」と非難した。 州議会は上下両院とも共和・民主の勢力が拮抗する。法案の先行きは不透明だ。 アイコーン被告の逮捕は、法案に関するニュースが全米に報じられる中で発覚。州上院の共和会派もアイコーン被告に辞職を求め、声明で「ジャスティンの先行きは厳しく、家族と向き合う必要がある」と猛省を促した。 アイコーン被告には妻と4人の子供がいるという。20日、辞表を提出し、受理された。