警視庁がオウム真理教に対する強制捜査に着手してから、3月22日で30年。その2日前の1995年3月20日には「地下鉄サリン事件」が起きている。死者14人、負傷者6000人超――前年6月の「松本サリン事件」(死者8人、負傷者約600人)と共に、オウムによる化学兵器を用いた無差別殺傷テロの衝撃は、海外にも広く知れ渡った。一連のオウム事件では192人が起訴され、教祖の麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚を含む13人の死刑が確定、2018年7月に執行された。平成の日本列島を揺るがせた大捜査の舞台裏には、大きな転機となる事件があったという。(全2回の第1回)