大統領の「政敵」を逮捕、野党への取り締まりが激化 トルコ

(CNN) トルコの裁判所は23日、最大都市イスタンブールのイマモール市長を汚職の容疑で収監した。権威主義的なエルドアン大統領に対する野党勢力への取り締まりが激しさを増している。 エルドアン氏にとっての最大の「政敵」とされるイマモール氏は19日に自宅で拘束されていた。イマモール氏は数日後に2028年の大統領選で、最大野党である共和人民党(CHP)の候補者として登録されるとみられていた。 イマモール氏は容疑を否認している。批評家からは今回の逮捕について、権威主義的な傾向を強めていたトルコにとって完全な独裁政治に陥る恐れのある危険な転換点となり得るとの指摘が出ている。 イマモール氏はSNSへの投稿で、「我々は手を取り合い、この打撃、我々の民主主義に対するこの汚点を根絶する。私は堂々と立つ、屈服しない」と述べた。 トルコではイマモール氏の拘束を受けて、国内の10以上の都市で数万人が参加した抗議デモが行われた。トルコ警察は抗議デモを受けて、対応に乗り出し、22日にかけての一晩で300人あまりが逮捕された。 イマモール氏の妻は23日、裁判所の外で、収監の判断について、政治的な動機によるものだと指摘した。 CHPはイマモール氏の逮捕を「クーデターの試み」と批判。CHPのオゼル党首は23日、裁判所の外で記者団に対し、控訴する考えを明らかにし、判決を待つ間、市議会がイマモール氏の代理となる市長代行を選出すると述べた。ロイター通信が伝えた。 イマモール氏の支持者からは、今回の拘束について、政治的な動機によるものであり、昨年の地方選や市長選でエルドアン氏率いる公正発展党(AKP)が惨敗したことに対する報復だと批判する声が出ている。

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