私学と公立校、連携強化 いじめにも共同で対処 静岡

私学と公立校、連携強化 いじめにも共同で対処 静岡
産経新聞 2012年9月21日(金)7時55分配信

 ■より高レベルの教育実現へ

 県は来年度、県私学教育振興会と協定を結び、私学教員を対象とする学級作りなどの研修に、公立学校の教員も参加できるようにする方針を固めた。県下の私立と公立の小・中・高校間で連携強化を図ることが目的。いじめ問題についても、県教委が実施する代表者会に県私学協会のメンバーの参加を呼びかけるなど、垣根を越えた連携を進め、教育水準の向上や生徒指導の強化につなげていく考えだ。

 県教委と県私学振興課は昨年11月、私立と公立の教師を2年程度の期間限定で相互に派遣しあう人事交流制度を整えたほか、生徒の就職に向けた雇用対策事業などでも連携を図ってきた。私立学校側は、各校独自の理念や方針に基づき、生徒に対する教育を行っているが、公立学校のノウハウを取り入れることで、より高いレベルの教育指導体制が築けると判断。また、公立学校側も、同様に私学に学ぶことで、指導能力の向上が図れるメリットがあるとして、連携強化に乗り出すこととなった。

 今回、公立学校の教員が参加できるようになるのは、教科の教え方、学級作り、人権などの項目のほか、初任者や10年目の教員が参加する研修なども想定している。外部の講師を招いた講習会などにも参加できるようにする見込みで、「マネジメント分野を中心に私立、公立の両方が相互に参加できる体制を整え、教師のレベルを上げていきたい」(県教委)としている。

 一方で、いじめへの対応については、大津市立中学2年の男子生徒がいじめを受けて自殺したとされる問題を機に発足した県・市町教育委員会代表者会への参加を県私学協会にも呼びかけていく。このほか、県教委も私学で発生したいじめに対して、対応や防止策などをバックアップしていく方針。

 文部科学省がまとめた平成23年度の県内の私立学校のいじめの認知件数は、小学校が7件(前年比5件増)、中学校が29件(同6件減)、高校が70件(同12件増)だったという。

 発生件数は、公立に比べ低いものの、学校数に対するいじめの割合では、ほぼ同じといい、こうした状況からも、さらなる連携が必要と判断したもようだ。

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