学校修繕でも128件 さいたま市公文書偽造、5局195件に拡大
埼玉新聞 2012年9月28日(金)23時6分配信
さいたま市の2011年度の修繕業務に関わる公文書偽造問題で、繰り越し手続きを行わずに年度をまたいで工事を行い完了報告書などを偽造していた財務処理が、既に発覚している都市局南部都市・公園管理事務所の62件と緑区役所の1件のほかに、教育委員会事務局128件、政策局2件、市民・スポーツ文化局2件が新たに発覚し、5局で計195件に上ることが28日、市の全庁調査で分かった。
教委の128件は学校施設課が発注した小・中・特別支援学校116校の施設・設備修繕で、年間1136件の約1割に当たる。消防施設や新年度からの学級増・特別支援学級設置に対応する修繕で、学校運営に支障が出ないように春休みに発注が集中。年度をまたいで工事が行われたが、年度内の3月中に工事が完了したように契約関係書類の日付を偽っていた。
春休み中の4月10日までに完了した修繕が81件と多かったが、関係業者の調整が付かず夏休みまで工事を延期したケースも1件あった。29件は工事完了前に請負代金を支払っていた。
学校施設課は「修繕のスケジュール管理や現場の実態を把握していなかった。学校運営に支障が出ないよう、例年、春休み中に工事を行っており、同様の不適正処理を過去も行っていたことは想像できる」としている。
このほか、政策局の2件は市総合振興計画策定に関わる委託業務で報告書や計画書の印刷、納品が5月にずれ込んだ。市民・スポーツ文化局の2件は、コンビニエンスストア交付システム導入の委託業務で仕様変更により一部が年度内に終了しなかった。
調査結果は、11日に設置された再発防止調査委員会(委員長・比企邦雄行政管理監)が、全部局からの自己申告による報告をまとめた。
比企委員長は「後日、『事故繰り越し』の手続きを取れば問題ないものも多かったのに認識が欠けていた。市民の信頼を失ったことは大変申し訳ない」と述べた。同委員会の報告に基づく原因究明や再発防止策の検討などは、第三者委員会に引き継がれる。
また、第三者委に対応して市議会が全庁の調査を対象にした特別委を10月1日に設置し、地方自治法98条に基づく検査権を付与する予定。まちづくり委員会で行っていた南部事務所の事務検査は28日で終了した。