大津・中2自殺:自殺1年 市内55小中学校、命の取り組み 長所探し…「いじめない」胸にリボン /滋賀

大津・中2自殺:自殺1年 市内55小中学校、命の取り組み 長所探し…「いじめない」胸にリボン /滋賀
毎日新聞 2012年10月4日(木)15時35分配信

 大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題で、自殺後1年の命日を11日に迎えるのを機に、市内の全55小中学校が独自に企画する「命の取り組み」の概要が3日、分かった。いじめや自殺を考える授業のほか、友達の長所を探すキャンペーン運動やパラリンピック出場者の講演などで、個性の尊重や人を思いやる気持ちの大切さを改めて問い直す。【千葉紀和】
 市内一斉に自殺やいじめについて考える初の試み。市教委は各校の取り組み成果を集約し、今後のいじめ対策にも反映させる方針。
 逢坂小は児童会の発案で「いじめをしない・させない・見逃さない」意思表示のため、各児童が黄色のリボンを胸につける「イエローリボン・キャンペーン」を19日から展開。各クラスで「いじめま宣言」も作成し、校内に掲示する計画だ。
 志賀小は卒業生でロンドン・パラリンピックに卓球日本代表で出場した木下佑輝さん(21)を全校集会に招き、「より良く生きる」ことをテーマに話してもらう。下阪本小や南郷小は、級友の頑張っている姿や助けられてうれしかったことを花型カードなどで紹介する運動を実施する。
 このほか、標語やポスター、壁画制作、人権学習などを各校が企画。保護者に一緒に考えてもらうため参観日と組み合わせる学校もあり、それぞれ今月上旬〜12月に取り組む。
 また、自殺した男子生徒が通っていた中学は毎月11日を「命を思う日」とし、同級生らが命をテーマに書いた作文を授業前に校内放送で読み上げている。1周忌にも行うほか、生徒会が夏から計画してきた「命の集い」も予定通り開催。黙とうや合唱、メッセージの朗読を行い、折り鶴で作った玉飾りを手向けて、学友の死を改めて考え直す。

10月4日朝刊

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする