「制度を勘違い」幼稚園の副園長が教員免許を“うっかり失効”
産経新聞 2012年10月12日(金)18時22分配信
千葉県内の私立幼稚園で副園長として勤務していた女性教諭が、教員免許の更新手続きを忘れ、今年3月末で免許を失効させていたことが11日、県教委などへの取材で分かった。女性の勘違いが原因だが、失効中は教壇には立てない。“うっかり失効”はクラス担任の突然の変更など、子供たちを混乱させる可能性があるため、県教委は学校などを通じ更新制度の周知を図っている。
県教委などによると、この女性は今年3月末に幼稚園の教員免許が期限を迎えた。副園長として管理職の立場にあったため、免許更新に際して通常必要な講習を受けずに更新することが可能だったが、1月末の期限までに県教委で必要な手続きを行わなかった。
女性は、ふだんは教壇に立たないため大きな影響はなかった。県教委などに対しては「管理職だから自動的に更新されるものと制度を勘違いしていた」と説明しているという。女性が再び免許を取得するためには、千葉大など教員養成を行う大学が実施する計30時間の免許状更新講習を受ける必要がある。
教員免許の更新制度は、教員の資質を一定以上に保つため平成21年4月に導入され、23年以降は毎年3月末、年齢に応じて順次期限を迎えることとなった。対象は幼稚園や小中学校、高校などの教員で、原則として10年ごとに講習を受けて更新しなければならない。
文部科学省の調査では、今年3月末に全国で教員免許が失効した人数は計117人。東京都内の公立学校ではうっかり失効で教諭が失職するケースもあった。
県教委の担当者は「県内の公立の幼稚園や学校では管理職が教員の免許期限を確認しているが、私立の状況は把握できていないのが実情。更新制度への周知を徹底し、ミスによる失効を防ぎたい」としている。