岡山大、准教授を停職10日に 論文多重投稿で処分

岡山大、准教授を停職10日に 論文多重投稿で処分
山陽新聞 2014/3/20 23:18

 岡山大大学院医歯薬学総合研究科の40代男性准教授による論文の多重投稿問題で、同大は20日、事実を認定し、准教授を停職10日間、上司の50代男性教授2人を訓告の懲戒処分にしたと発表した。処分は19日付。

 准教授は「立場と責任感から論文を出したかったが、日常診療が忙しく、新たな論文を執筆する時間がなかった」と話しているという。

 記者会見した許南浩副学長らによると、准教授は2010年までに手掛けた359例の肝臓がんを治療した後の感染症や副作用について研究成果をまとめた。論文には新規性が求められ、倫理面から多重投稿が禁止されているにもかかわらず、この研究を基に11年7月〜12年5月、国内外の学会誌などにほぼ同じ内容の論文4本を投稿、掲載された。

 うち1本は疫学研究に当たることから、国などの倫理指針で学内倫理委員会の承認が求められているが、それを受けず、付属書類で「承認を受けた」と虚偽内容を記載していた。

 昨年4月までに海外3誌から准教授本人に警告があり問題が発覚。8月から弁護士を含む特別調査委員会が聞き取り調査してきた。同大は再発防止策として、研究立案から論文提出まで一貫したチェック体制を確立させるほか、研究倫理の教育、研修を充実させる。

 森田潔学長は「監督・指導体制を強化し、このような事態が生じないように取り組む」とコメントを出した。

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