鶴ケ島・女子生徒転落で「いじめ背景」を示唆 保護者が文書提出

鶴ケ島・女子生徒転落で「いじめ背景」を示唆 保護者が文書提出
埼玉新聞 2014年6月12日 17時56分配信

 鶴ケ島市立西中学校の女子生徒2人が3月と4月、それぞれ同校舎トイレから転落し重傷を負った事故で、3月の事故の女子生徒(15)の保護者が「娘はクラス内で疎外されたことに耐えられなかった」などといじめを背景にした自殺未遂を示唆する文書を提出していたことが11日、分かった。

 事故後、家族や友人らから事情を聴いている市教委は「女子生徒は友人関係で悩んでいた」と認識しているものの、いじめがあったと断定していない。

 市は6月中に、いじめ防止対策推進法に基づく第三者による調査機関「いじめ問題調査審議会」を設置する方針を決めており、市教委は「調査結果を審議会に報告し、いじめがあったかどうかを含め全体像の中で検証してもらう」としている。

 市教委によると、女子生徒の保護者は5月下旬、知人の市議に文書を手渡した。

 文書には「2月28日に学校に行ったらクラスの女子の態度がおかしかった。女子皆が娘と関わらないようにしようと聞いた。娘は誰にも相談できず、3月15日までクラスで一人ぼっちで耐え切れず飛び降りた。4月中に校長や警察にもいじめのことを話したが、報道では市教委は『いじめの情報はつかんでいない』と書いてあり、それは納得できない」と書かれていた。

 この市議が6月、市議らの勉強会で文書を配布。市教委が5月2日の臨時議会で、事故について「本人と面会していない」などと経過報告していたことなどから、市議会は正確な経過報告と今後の方針を問いただそうと、10日に全員協議会を招集し、市教委など執行部の報告を受けた。

 この中で、市教委は5月2日の議会で「面会していない」と説明したことについて、「面会はしたが、医者から許可が下りていないので事故のことは聞けていない」と釈明。女子生徒の仲良しグループ数人のうち、他の生徒らは事故前の3月、「女子生徒と積極的に話はしないが、話掛けられたら応じる」と決めていたことを明らかにした。

 また、保護者の文書については「学校側に不満を持っているのは把握できた。今後は保護者と連携を密にして調査を進める」としている。

 当時2年生だった女子生徒は3月17日午前、校舎4階トイレの窓から飛び降りた。別の3年の女子生徒(14)は4月14日午前、校舎2階トイレから飛び降りた。いずれも足や腰などを骨折する重傷で、入院治療を続けている。

 市教委は2人の女子生徒から直接、事故に関する事情聴取はできていないが、4月の事故の女子生徒は健康や進学などの問題で悩んでいたという。

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