<名古屋中1自殺>河村市長「市教委に任せておけない」

<名古屋中1自殺>河村市長「市教委に任せておけない」
毎日新聞 2015年11月9日 12時14分配信

 名古屋市西区の市立中1年の男子生徒(12)がいじめに遭ったという遺書を残して自殺した問題で、河村たかし市長は9日の定例記者会見で、生徒や教諭への聞き取り調査に直接立ち会う意向を明らかにした。また10日には、首長と教育委員会が話し合う「総合教育会議」を開催し、市教委の調査に積極的に関与して、いじめの背景や原因の究明を目指す。自殺した生徒に対しては「『助けられず、ごめんね』と言いたい」と述べ、近く遺族を弔問するとしている。

 同校と市教委は、無記名の緊急アンケートまで生徒へのいじめを把握できなかった。また2013年に、同市南区の市立中2年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題でも、第三者委員会が「いじめへの理解と対応が不十分」と市教委の対応を批判している。

 河村市長は記者会見で「なぜ、2年前と同じ悲劇を繰り返したのか。このまま市教委に任せておけない」と話し、生徒や教諭への聞き取り調査に加わる考えを示した。また生徒だけでなく、教諭への無記名アンケートの実施も検討、市内11中学校に常駐するスクールカウンセラーを来年度から増員する方針も明らかにした。

 総合教育会議は、教育行政への首長の関与を強めるため、首長が運営する。11年の大津市の中2いじめ自殺事件で、市教委の「密室、隠蔽(いんぺい)体質」が問題となったことを受け、改正地方教育行政法に基づき、今年度から自治体に設置が義務付けられた。【三上剛輝】

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