同志社事務部長ら逮捕 大学のごみ無許可収集疑い

同志社事務部長ら逮捕 大学のごみ無許可収集疑い
京都新聞 2016年1月19日 12時20分配信

 同志社大(京都市上京区)の構内などから出たごみを無許可で収集、運搬したとして、京都府警生活経済課と西京署は19日、廃棄物処理法違反の疑いで、学校法人「同志社」の法人事務部長で、同区の施設管理会社「同志社エンタープライズ」の社長北幸史容疑者(57)=奈良市秋篠町=や、同区の保守管理業「コスモスビルメンテナンス」の代表吉田多郎容疑者(68)=亀岡市篠町篠下北裏=ら男6人を逮捕した。
 府警によると、2005年に設立されたエンター社は、同志社の100%出資会社で、受託したごみ収集業務をコスモス社に担わせていた。逮捕されたエンター社員の1人は「学校法人に利益を還元するために会社をつくった」と供述しているという。府警は、ゴミ収集事業で得た利益が寄付金として同志社に還流していたとみて慎重に調べる。
 逮捕容疑は共謀し、昨年11月27日、市の許可を受けず、同大学今出川キャンパス(上京区)や学生寮から排出された紙くずなどのごみ約900キロを収集し、伏見区の市南部クリーンセンターへ運搬した疑い。府警は全員の認否を明らかにしていない。
 府警は19日朝、同大学内にある学校法人の施設課など関係先を家宅捜索した。20日にも2社を同法違反容疑で書類送検する方針。市は12年10月以降、同志社や2社に無許可収集を改善するよう計7回、指導していた。同志社の水谷誠理事長は「今後、このような事態が起こらぬよう、指示を徹底したい」とのコメントを出した。

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同志社に3億円還元 違法ごみ収集事件
京都新聞 2016年1月20日 8時30分配信

 学校法人同志社(京都市上京区)の子会社などが市の許可を受けずに大学施設で出たごみを収集、運搬したとされる廃棄物処理法違反事件で、同志社が約10年にわたり、子会社「同志社エンタープライズ」(同)の収益から計約3億円の寄付を受けていたことが19日、分かった。京都府警は、同社などから寄付名目の領収書などを押収しており、収集事業による収益と3億円との関連や、資金の流れを調べる。
 同志社は19日夜、上京区の同志社大で会見を開き、水谷誠理事長が「誠に残念で遺憾。委託した責任者として責任を痛感している」と、謝罪した。
 同志社の説明では、エンター社にごみ収集運搬業務を月額200万円で委託し、実質は市の一般廃棄物収集運搬業の許可を得ていない施設管理会社「コスモスビルメンテナンス」(同)が同業務を担っていた。
 同志社は2006年度から14年度まで、エンター社の収益のうち毎年約1千万〜5800万円を非課税の寄付として受け取り、教育研究費などとして同志社大などに分配した。10年度にはコスモス社から同志社大に200万円、同志社女子大に100万円の直接の寄付もあったという。
 同志社の村山裕三企画部長は「一般企業と同じ寄付と捉えている。収益優先に見えたのなら学校法人として適切ではなかった。大学の慣行が社会的にグレーな部分があった」と述べた。
 市の再三の指導に従わなかった点については「業者と契約済みだったため、市に業者変更まで猶予期間がほしいと話した。ごみを処理場に受け入れてもらっていたので、昨年12月に府警の強制捜査を受けるまでは違法性の認識がなかった」と釈明した。
 府警は昨年12月、2社を家宅捜索し、寄付名目の領収書を押収した。また、19日に実施した同志社施設課などへの家宅捜索では、帳簿類やパソコンに保管されたデータなど85点を押収し、裏付け捜査を進める。

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