<阪大汚職>十数社から指導料 大学院教授を懲戒解雇
毎日新聞 2017/3/31(金) 0:50配信
大阪大と企業の共同研究を巡る汚職事件で、同大大学院工学研究科教授、倉本洋被告(57)=収賄と背任の罪で公判中=が、大学に届け出ず十数社から技術指導料を受け取っていたことが30日、大阪大への取材で分かった。阪大は同日、事件を受け倉本被告を懲戒解雇にした。
倉本被告は耐震技術に関する共同研究の見返りに、ゼネコンなど4社から計約1300万円の賄賂を受け取ったなどとして起訴された。
阪大によると、倉本被告は自身の特許使用料の受け皿として「CES構造研究所」を実質経営。4社以外の十数社から研究所名義の口座に「コンサルティング料」などとして現金が振り込まれており、少なくとも数千万円に上るとみられる。本来は兼業許可の申請が必要だった。倉本被告は大学の調査に「特許使用料の収入が伸びず、業績を上げたかった」と話したという。
倉本被告が大学に無断で計6社と共同研究を実施していたことも判明。阪大はこれらの研究にかかった費用約3500万円が大学の研究費から流用されたとして返還を求める方針。【池田知広、戸上文恵】