<取手中3自殺>両親が記者会見「いじめ該当なし」に不信

<取手中3自殺>両親が記者会見「いじめ該当なし」に不信
毎日新聞 2017/5/29(月) 23:30配信

 ◇市教委に第三者委解散を求める

 茨城県取手市で2015年11月、市立中学3年の女子生徒が自宅で自殺したことを巡り、両親が29日、東京都内で記者会見し、市教育委員会が設置した自殺の原因を調査する第三者委員会について「中立性や遺族への配慮を欠く」として市教委に解散を求めたことを明らかにした。両親は、生徒がいじめられていたことを示唆する日記を残しているとして、いじめが自殺の原因と訴えている。

 死亡したのは、中島菜保子さん(当時15歳)。両親や代理人弁護士によると、「いじめられたくない」「死にたい」などと書かれた日記が見つかった。スカートのポケットからは「くさや」と書かれたメモが見つかり、両親が一部の同級生から話を聞いたところ、「臭い」との理由で、そう呼ばれていたことも判明したという。両親はこれらを学校に示して調査を求めた。

 中学では同12月、全校生徒にアンケートを実施。市教委も同月、3年生全員から聞き取りをしたが、「いじめは確認できなかった」と結論付けた。

 これに対し両親が重ねて調査を要望し、市教委は16年3月に第三者委の設置を決めた。だが、いじめ防止対策推進法は、いじめが原因で「子どもの生命や心身への大きな被害」が生じたと疑われるケースを「重大事態」と規定して第三者委を設置するよう定めているにもかかわらず、市教委は「重大事態に該当しない」と議決したうえで設置。今月になってから、重大事態と判断を改めて調査を進めていることを遺族側に伝えたという。

 両親は29日、第三者委の解散を求める申し入れ書を市教委に送付。記者会見で母淳子さん(47)は「娘が亡くなって傷付いているのに、さらに傷付けられた。不信感しかない」と目に涙をためた。市教委は「対応を検討する」としている。【伊澤拓也】

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「いじめ該当しない」撤回=配慮欠いたと謝罪―市教委、中3自殺・茨城
時事通信 2017/5/30(火) 22:39配信

 茨城県取手市で、2015年11月に同市立中学3年の中島菜保子さん=当時(15)=が自殺した問題で、市教育委員会は30日、臨時の会議を開き、昨年3月に「いじめによる重大事態に該当しない」と議決したことについて、撤回した。

 市教委は「いじめはあった」としている。

 矢作進教育長は「非常に遺族に対して配慮に欠けた議決になっていた。本当に申し訳ない」と謝罪した。

 市教委によると、文部科学省から県教育委員会を通して、いじめ防止対策推進法の「重大事態に該当しない」とした文言を撤回するよう指導があったという。

 中島さんの両親は、第三者委員会の調査は中立性や遺族への配慮を欠いているとして、調査中止と解散を文科省と市教委に申し入れていた。市教委は昨年3月、「いじめによる重大事態に該当しない」と議決した上で、第三者委を設置していた。

 市教委は、同委員会の調査中止と解散はしない方針だが、31日に行われる文科省のヒアリング調査の結果を踏まえて今後の対応を決める。 

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