教員わいせつ「携帯、車、部活」が危険 専門家指摘
京都新聞 2017/9/18(月) 11:10配信
京都府教育委員会で公立学校の教員によるわいせつ事案が相次いでいる問題で、2012年4月から17年8月までの5年余りの間、わいせつでの懲戒処分が計19件発生し、7割超が教え子に対する行為であることが分かった。さらに、大半の教員が20〜30代だった。携帯電話での直接的なやりとりが背景の一つにあるとして全面禁止の措置を取り、「生徒との距離感を誤ってはいけない」と厳重注意を呼びかけている。
「携帯、車、部活。これらを利用した生徒とのコミュニケーションは、わいせつ行為に至るケースが多い」。被害にあった生徒や保護者から年間約100件の相談を受ける「スクール・セクシュアル・ハラスメント防止全国ネットワーク」(大阪府)の亀井明子代表は指摘する。
発生する構図は共通しており、教員と生徒の圧倒的な力関係の差がある。子どもは、内申書や部活動の選手選びなどに影響することを恐れ、教員に抵抗しにくい。そこにつけ込み、部活の帰りに「車で送る」と誘ったり、携帯で直接やりとりし「他の子には内緒」と口止めしたりし、親や友人の目から隠れて「2人きり」になるように誘導するという。
発覚後、「抵抗されなかった」と言い訳する教員が多いが、生徒が嫌と言えなかったケースのほかに、性暴力に関する知識が乏しく、被害だと認識していない場合もある。その時は被害感情がなくても、成長し何かのきっかけで「性暴力だったのでは」と自覚し、深い傷を負って相談にくる女性も多いという。
「生徒が教員に恋愛感情を持つことはある。それ自体は問題ない」と亀井代表は認めた上で、教員と生徒が「恋愛関係」になることは全く別だとする。「大半が違法行為にあたる上、教員は教育のプロとして保護者から生徒を託されており、自らの私的な恋愛感情に巻き込むことは許されない」と断言する。教員研修だけでなく、生徒に性暴力の知識を正しく教える重要性も訴える。