郡上の講師自殺で22人処分 教育長らを減給
岐阜新聞Web 2018/1/30(火) 8:21配信
郡上特別支援学校(岐阜県郡上市)の男性講師=当時(24)=が2013年、上司からの叱責(しっせき)などを苦に自殺した公務災害で、県教育委員会は29日、関係した職員ら22人の処分を決めたと発表した。発生時の上司の教諭、校長、教頭各1人を減給10分の1(3カ月)の懲戒処分とした。また、松川禮子教育長を管理監督責任として、教育長の給与に関する県条例に基づき、15%の減給(2カ月)とするための条例改正案を同日付で専決処分した。来月の県議会定例会で承認を求める。
処分では、発生時の上司や校長、教頭を減給10分の1(3カ月)としたほか、当時の県教委の教職員課長ら2人を減給10分の1(2カ月)、同校高等部主事など4人を減給10分の1(1カ月)とした。また、副教育長や県教委の職員ら5人を戒告とした。このほか当時の教育次長ら5人を訓告、2人を厳重注意とした。当時の校長ら退職者3人には減給処分相当額の支払いなどは求めず、文書通知にとどめた。
自殺に至った原因究明のため、県弁護士会の3人が行った第三者調査の報告書を基に決定した。上司の指導や過重労働に関し十分な調査がなく「事実解明が大きく阻害された」との指摘や、男性に退職金が支給されていなかったとする報告書の内容を考慮した。
また、県教委は再発防止策として、新年度に「教育管理課」(仮称)を新設し県教委の情報公開や法令順守に関する取り組みの点検を強化するほか、弁護士によるハラスメントや過労死の相談窓口の新設など体制整備に取り組むとした。
男性講師は12年4月に同校の講師に採用され、高等部生徒の進路支援を担当。過重業務などで勤務時間が増え、13年5月に上司から電話で叱責されたことがきっかけで行方不明となり、川に飛び降りて自殺した。遺族が公務災害を申請し、昨年3月に認定された。