神戸・中3自殺 メモ隠蔽、市議会が調査の弁護士招致 「市教委事務局の責任免れず」
神戸新聞NEXT 2018/7/30(月) 20:00配信
神戸市垂水区で2016年10月、中学3年の女子生徒=当時(14)=が自殺し、いじめを証言した同級生らへの聞き取りメモが隠蔽された問題で、市教育委員会の委託を受けて同問題を調査した弁護士2人が30日、市議会文教こども委員会に出席し、「直接関わったのは(市教委の)首席指導主事と前校長の2人だが、事務局全体の共同責任は免れない」などと指摘した。
同委員会が、調査を担当した村上英樹弁護士と羽田由可弁護士の2人を参考人招致し、首席指導主事が事務処理が煩雑になるなどと考え、前校長にメモの隠蔽を指示したとの調査結果について委員らが質問した。
隠蔽の目的について、羽田弁護士は「首席指導主事はいじめを隠す意図はなかったが、事態を沈静化させたいという思いはあり、年度内に結論を出さないと関係生徒らが卒業してしまって指導ができないと考えていたようだ」と言及した。
市教委の組織的関与について、村上弁護士が「首席指導主事と前校長以外、隠蔽の事実を知る人はいなかった」と否定した上で、「事務局幹部は当然知っておくべき内容。周囲が知らないまま、不合理な判断が通用するというのは、組織のガバナンス(統制)が低下している証拠」と述べた。羽田弁護士は「聴取した市教委の幹部や学校の教職員のメモに対する意識があまりにも低かった」と苦言を呈した。(井上 駿)