下着チェックや威圧…「理不尽」な校則 「学校に行けなくなった」生徒も

下着チェックや威圧…「理不尽」な校則 「学校に行けなくなった」生徒も
西日本新聞 2020/12/23(水) 10:23配信

 福岡県弁護士会は22日、福岡市立の中学全69校の校則に関する調査結果を発表した。性的少数者への配慮や機能性向上を目的に、ほとんどの市立中が新標準服を導入したにもかかわらず、約3分の1の24校が男女を明確に分け、男女別に制服の着方を推奨していた。違反がないかどうか教員が下着をチェックした例や、内申点を盾に生徒の疑問を威圧したケースもあったといい、弁護士会は「人権侵害」と批判している。

 本年度導入された新標準服は動きやすさや寒暖、自身の性自認などに合わせ、スラックス、キュロット、スカートのいずれかを性別に関係なく選べる。導入に合わせ、弁護士会は7月から情報公開請求を進め、校則を分析してきた。

 その結果、校則で標準服の着方を男女別で明確に分けていたのは24校、男子や女子に描き分けているように見えるイラストなどで事実上分類していたのが26校だった。下着は57校が色、54校が無地やワンポイントまでといった規則を設けていた。「違反下着は学校で脱がせる」という規則も1校にあった。

 髪形については62校に規則があった。違反を見つけた場合の対応を8校が定め、整髪料は発見次第洗髪させる▽学校で黒く染めることもある▽染髪したまま教室に上げない−などの記述があった。

 弁護士会は中学生と保護者、教職員の計十数人に聞き取り調査も実施。「女子生徒が男の先生から下着の色を指摘され、学校に行けなくなった」「廊下で1列に並ばされ、下着をチェックされる」といった実態があったほか、校則について生徒が疑問を呈しても、「内申に響くぞ」と脅されたり、「政府がそう言っている」とはぐらかされたりした例があった。校則の議論そのものを禁じられた場合もあったという。

 佐川民弁護士は「理不尽な規則がある上、生徒自身が声を上げられないのは問題。そもそも校則が本当に必要かどうか問題提起したい」と話した。 (四宮淳平)

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