中学いじめ訴訟 同級生と町への賠償請求を棄却 PTSD発症「因果関係認められない」兵庫・福崎
神戸新聞NEXT 2021/12/13(月) 20:52配信
兵庫県福崎町立中学校でいじめを受けて心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したなどとして、卒業生の男性(32)と母親が当時の同級生や町に計約2億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、神戸地裁姫路支部は13日、いずれも請求を棄却した。
原告側の男性は、中学生だった2002〜05年に同級生から日常的に暴行や嫌がらせを受けたと主張。さらに当時の担任や校長がいじめを黙認した上、別室に隔離させられたなどとし、18年3月に提訴していた。
判決で浅井隆彦裁判長は、元同級生が男性を転ばせたり、複数回追い掛けたりしたことは一部認定したが、PTSD発症との関連については、学校側の対応も含めて「因果関係は認められない」と退けた。別室への隔離についても「客観的証拠がない」とした。
原告側の弁護士は判決後の取材に「実態から乖離(かいり)した判決で誠に残念。控訴するかは今後協議して決める」とした。
中学生のときに受けたいじめが原因で働けなくなったとして、兵庫県に住む28歳の男性と母親が当時の同級生や学校を運営する福崎町を相手取り、約2億円の損害賠償を求める訴えを起こしました。
訴状などによりますと、男性は2002年から通っていた福崎町立福崎西中学校で、同級生の男子生徒に手を踏まれて骨折させられるなど継続的に暴行を受けていました。学校側はいじめを把握していたにもかかわらず、男子生徒を軽く注意するだけで、逆に男性をカウンセリング室に隔離するなどして授業を受けさせなかったということです。
男性はその後、うつ病やPTSDを発症して働けなくなったとして、母親とともに男子生徒と福崎町などを相手取り、約2億円の損害賠償を求めて神戸地裁姫路支部に提訴しました。当時の校長だった教育長は…
「いじめに近いことがあったことは事実。私どもとしては、当時できることは精いっぱいやってきたと思っております」(福崎町教育委員会 高寄十郎教育長)