日大前理事長を起訴、妻は立件せず 東京地検
産経新聞 2021/12/20(月) 15:25配信
日本大学の取引業者らから受け取ったリベート収入など計約1億1800万円を隠して所得税計約5200万円を脱税したとして、東京地検特捜部は20日、所得税法違反(過少申告)罪で、日大前理事長、田中英寿容疑者(75)を起訴した。田中被告との共謀を捜査していた妻の立件は見送った。
関係者によると、田中被告は特捜部の取り調べに対し、脱税容疑を認めているという。
起訴状などによると、田中被告は平成30年と令和2年、大阪市の医療法人グループ前理事長、籔本雅巳被告(61)=背任罪で起訴=ら日大と取引のあった業者から受領したリベート収入など計約1億1800万円を除外して隠し、所得税計約5200万円を脱税したとしている。
業者からのリベートの大半は、日大元理事の井ノ口忠男被告(64)=同=を通じ、田中被告の妻が現金で受領していたことなどから、特捜部は妻の共謀を捜査。妻が田中被告の税務申告を担当していたことも判明したが、田中被告が「妻に指示していた」などと供述したことなどから、妻は従属的な立場にあったと判断したとみられる。