「学校は警察じゃない」 “いじめ”訴えるノートに「花丸」つけ返却 女子児童の両親が語った学校の対応
FNNプライムオンライン 2023/12/8(金) 17:17配信
奈良市の小学校で、いじめに対する信じがたい対応が明らかになった。児童が「自分なんていなければよかった」などと訴えるノートに、担任教師が花丸を付けて返却。両親からの訴えも放置されていたという。
女子児童のノートに「私は死ねば…」
被害児童の両親:
娘が(学校から)帰ってきて脚を確認したら、あざができていたので、どうして娘がけがしたか調べてほしいと言ったんですけど、「学校は警察じゃない」と、ずっと調査もされずに、いじめの認知もされずに、ずっとのらりくらりと不誠実な対応をされ続けてきた。
取材に応じたのは、小学5年になる娘が約2年にわたっていじめを受けていた両親だ。奈良市立小学校に通っていた女子児童は、3年前から同級生に足を蹴られてけがをしたり、鉛筆で背中を突かれたりするいじめを受けていた。
2022年6月、女子児童が日ごろの悩みなどを書き込み担任の教師に提出したノート。そこに記されていたのは…
女子児童:
私は死ねばいいのに。自分なんていなければよかった。
しかし、担任教師はこのページに大きな花丸を書いたうえ、「You can do it!!(あなたならできるよ)」というメッセージを書き、児童に返したというのだ。
三橋和史弁護士:
常軌を逸した対応であると言わざるを得ません。配慮した対応が必要であるにもかかわらず、極めて不適切であると考えます。これによって学校に対する不信感が増して、教員への信頼も失われていってしまった。
花丸は「励ましの気持ち」で付けた
教育委員会によると、丸を付けた経緯について教師は、児童からの要望を受けて「励ましの気持ち」で付けたということだが、児童側は要望していないと反論している。
教育委員会:
どっちが本当とかいうことではなく、仮に担任が言う通りしゅんじゅんしてこのようなコメントしたとしても、配慮にかけた不適切な書き込みであった。
さらに弁護士によると、保護者は2022年2月に学校に暴力を受けていると訴えていたが、教育委員会が学校から報告を受けていじめの重大事態と認定したのは2022年11月だった。
女子児童は適応障害で学校生活にも影響
SOSはなぜ放置されたのか。女子児童は、適応障害と診断され、学校生活にも影響が出ているという。
被害児童の両親:(学校が)最初にしっかりと調べてくれていれば、こんな大きな問題にはならなかっただろうし、娘も病むこともなかった。普通の学校生活をすぐに取り戻せたと思う。(学校の対応が)今でも信じられないし憤りを感じています。
奈良市の教育委員会は11月、調査報告書を両親に提出していて、12月中に公表する方針だ。
(関西テレビ)