月80時間近い残業も…教員の長時間労働「実態は定額働かせ放題」 学校現場の課題、現役教諭ら議論
南日本新聞 2023/12/13(水) 11:53配信
学校現場での働き方改革を考えるシンポジウムが10日、鹿児島市の山下小学校であった。県内の小中高校の教員らが登壇し、長時間労働が恒常化している実情や、現場が抱える課題について議論を交わした。
同市の小学校教諭(37)は「月45時間の上限を超えて残業している教員が多く、自分も先月は80時間近くになった」と勤務実態を紹介。「現場の業務を減らす決断が必要」と訴えた。
霧島市内の中学校教諭(58)は「部活動が終わってから、ようやく授業の準備に取りかかる」。部活指導が時間外勤務の多くを占め、地域への移行も進んでいない現状を明かした。
労働問題に詳しい横浜市の嶋崎量(ちから)弁護士は、残業代の代わりに給与月額4%相当の調整額を支払うと定めた教職員給与特別措置法について「『定額働かせ放題』の実態を招いており、長時間労働を抑止できていない」と指摘。「教員が疲弊していくことは、子どもたちのためにもならない」と問題提起した。
シンポジウムは県教職員組合などが主催し、教育関係者や保護者ら約120人が参加した。