いじめ被害者と加害者を面談させる 学校の不適切対応、再調査で発覚

いじめ被害者と加害者を面談させる 学校の不適切対応、再調査で発覚
朝日新聞デジタル 2024/3/16(土) 10:15配信

 福岡県嘉麻市は15日、市立中学校であったいじめについて、学校側が被害者と加害者を直接面談させるなど、不適切な対応をしていたと明らかにした。被害者の女子生徒は2年余りにわたって、断続的に不登校になっていたという。

 市によると、女子生徒が1年生だった2021年6月、クラス内で競技のチーム分けをめぐって、経験があるのに「未経験者らのチームに入れよう」という趣旨の言葉を聞こえるように話すなど、7件のいじめがあったとされる。

 学校側は翌年、調査報告書をまとめたが、学校側の対応の不備が盛り込まれていないことに保護者が反発し、大学教授らでつくる「市いじめ問題調査委員会」が再調査。副担任の教員らが、同じ部活である被害者と加害者の2人を面談させ、「(いじめが続けば)2人に部活動を辞めてもらう」と心理的圧迫を加えるような発言をしたり、互いに謝罪させたりするなど、不適切な対応があったと指摘した。

 被害者の父親(54)は「娘はこの面談の直後に不登校になった。学校側の対応はお粗末で、保身ばかりだった」と訴える。

 木本寛昭教育長は取材に「子どもや保護者には申し訳なく思う。再調査の結果を厳粛に受け止め、改善すべきは改善し、再発防止に取り組みたい」と話した。(徳山徹)

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