首相直属「教育再生実行会議」で体罰も議論 来週に初会合

首相直属「教育再生実行会議」で体罰も議論 来週に初会合
産経新聞 2013年1月17日(木)7時55分配信

 下村博文文部科学相は16日、桜宮高校(大阪市都島区)でバスケットボール部主将だった2年の男子生徒=当時(17)=が体罰後に自殺した問題を受け、安倍晋三首相直属の教育再生実行会議の検討課題に体罰対策を加える方針を固めた。今回表面化した問題は「氷山の一角」にすぎないと判断、体罰を禁じる国の姿勢を強く全国の教育関係者に示す狙いがある。

 最初の検討テーマとなる「いじめ問題」の中で併せて議論する。会議は首相をトップに下村氏や菅義偉官房長官ら関係閣僚と、作家の曽野綾子氏ら有識者15人で構成。

 鎌田薫早稲田大総長を座長とし、来週中に第1回会合を開く。

 首相が「内閣の最重要課題の一つ」と位置付ける教育再生のあり方に関して提言をまとめるため、いじめ問題への対応や教育委員会の抜本的見直し、大学入試改革などが検討テーマに決まっていた。当面は、いじめ問題に集中し議論を進める計画だったが、桜宮高校の問題を受けて体罰対策が喫緊の教育問題に浮上した。

 学校教育法で禁じられている体罰と、教諭に認められた指導の境界線があいまいとの指摘もあり、会議の議論を通じ、体罰防止に向けた対策を早急に取りまとめる。

 下村氏は15日、自殺の経緯や学校側の対応を調べるため、義家弘介文科政務官を大阪市教育委員会に派遣。

 文科省は全都道府県の教育委員会に体罰に関する実態調査を依頼する措置を取った。

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