市立中学で体罰6件 津市教委など発表 4〜1月、県内学校では8件
産経新聞 2013年2月6日(水)7時55分配信
津市教委は5日、市立中学校5校で6件の体罰があったことを発表した。一方、県教育委員会と県も同日までに、津市以外の県内の学校で昨年4月以降、教諭が運動部の活動中などに児童・生徒をたたいたりした体罰を計8件確認したことを明らかにした。
津市教委によると、体罰は、放課後に男子生徒にからかわれたため逆上した教諭が胸元をつかんで足を蹴り、体を突いたケースがあったほか、生徒指導の際に女子生徒が自暴自棄の態度をみせたことに腹を立て、蹴った机が生徒に当たり、胸元をつかみ頬をつねったという。部活動中では、野球部で男子生徒が練習に集中しないためヘルメットの上からバットで小突いたり、バレーボール部でふまじめな男子生徒をたたいたり蹴ったりするなどした。授業中の体罰もあり、男子生徒が授業に集中しないので胸元をつかむケースがあった。
体罰は中学校だけだったが、「学校から出て行け」などの不適切な暴言や、児童に必要以上に何度も注意をしたり、棒で児童の胸を突いたりするなどの行き過ぎた指導が小学校で3件あった。うち2件は、児童が数日間、学校に「行きたくない」と欠席した。
調査は昨年4月から今年1月まで実施し市立の小学校53校、中学校20校が対象。けがをしたケースはなく、6件のうち4件で教諭を厳重注意処分とし、生徒や保護者にも謝罪した。残る2件についても処分を検討している。また、今回の調査は各校長の把握分で、今後、教職員や児童生徒へ調査する。
また、県教委などの調査では、公立小学校で3件、県立の高校や特別支援学校で4件、私立高校で1件の体罰が判明。県立高校や特別支援学校では昨年5〜9月、運動部の合宿中に顧問の教諭が生徒の顔を平手でたたいたり、生徒指導担当の教諭が生徒の腕を蹴ったりするなどの体罰があった。小学校では、廊下で暴れて教諭を蹴った児童のふくらはぎを、この教諭が蹴り返した事例などがあった。
県教委が県立学校の体罰の概要などをまとめた報告書は、教育現場に「体罰は許されない」という認識が不足していることなどを原因として挙げ、校内研修の強化などを学校側に求めた。
県教委は1日に臨床心理士などが体罰に関する相談を受け付ける電話窓口を設置。県教委は「教諭の意識改革や、生徒からの相談ルート整備などに力を入れていきたい」(教職員課)としている。