教職員不祥事の処分前公表 ガイドライン策定へ 長野

教職員不祥事の処分前公表 ガイドライン策定へ 長野
産経新聞 2013年2月13日(水)7時55分配信

 ■県民への情報提供、迅速化

 県立特別支援学校の寄宿舎指導員によるわいせつ不祥事に絡み、被害者側からの求めに応じて処分そのものを公表しないことがあるとした県教委の指針改正に対し、さまざまな批判が渦巻く中で、県教委内部からも改正に対する反省や自戒が飛び出した。県教委では処分前の教職員不祥事を公表するためのガイドラインを策定することを決め、策定作業を行う外部委員による検討会議で改正した指針の公表基準についても検討する。指針改正は再び論議の俎上(そじょう)に載りそうだ。

 7日に開かれた県教委定例会の冒頭で口火を切ったのは生田千鶴子委員だった。「個人の情報に関わる部分以外はできるだけ公表していく方が県民の信頼を得ることになる」と発言を求め、処分案件について非公開部分はあっても処分決定に至る委員の議論の過程について可視化をすべきだとの考えを示した。

 さらにガイドラインの論議に入ると、耳塚寛明委員が指針の改正について「公表が大原則ということを変えたつもりは全然ないが、改めて考えてみると、いくつか課題があった」と表明。

 後退感を与える改正指針の表現や、非公表に関わる運用細則がないことを挙げ、「現実的には起こりえないと思うが、恣意(しい)的な運用が可能な状況になってしまった。もし悪意、恣意的な委員会の決定が出たとしても、それに対して無防備な状況が防げない」と指摘。他の委員からも公表の基準を曖昧にすることへの懸念が表明された。

 処分前公表のガイドラインは、県と県教委の「教員の資質向上・教育制度あり方検討会議」倫理向上専門部会が11月の報告書案に盛り込んだ。不祥事発生から処分まで時間を要して県民への情報提供に迅速さを欠くことへの反省からだ。ガイドラインは、近く設置の情報公開専門家や保護者ら4人程度で構成する検討会議での議論を経て策定し、来年度早期からの運用開始を目指す。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする