新津高生死亡:両親が県を提訴 損害賠償8400万円求め /新潟

新津高生死亡:両親が県を提訴 損害賠償8400万円求め /新潟
毎日新聞 2013年2月23日(土)13時4分配信

 ◇野球部員、部活中に死亡
 県立新津高校(新潟市秋葉区)野球部1年の男子生徒(当時16歳)が、部活のランニング中に熱中症とみられる症状で死亡した事故で、五泉市に住む両親が県を相手取り、約8400万円の損害賠償を求めて新潟地裁に提訴したことが22日、分かった。第1回口頭弁論は3月7日に開かれる予定。
 昨年12月21日付の訴状によると、男子生徒は昨年7月28日午後1時45分ごろから、野球部の練習でランニングを開始。往復約10キロのコースのゴール間近で熱中症により路脇の竹やぶに転落したと見られる。監督や部長らは男子生徒が戻らないことに気づかずに練習を続行。翌29日朝、両親からの連絡を受けてコースを捜索し、警察官が生徒の遺体を発見した。死因は多臓器不全だった。
 両親は、当時の気温は約33度だったのに教諭らは体調管理を生徒に任せるなど、熱中症防止の注意義務を怠ったと主張。原告の代理人弁護士は「戻ってきた生徒に点呼をすることなく、事故にも気づかなかったのは全くお粗末というほかない」としている。
 県保健体育課は「ご遺族の気持ちは察するに余りあるが現在対応を検討中」としている。また同校の小林篤子校長は「ご両親の問いかけに誠実に答え、安全対策に取り組んでいきたい」と話している。【塚本恒】
2月23日朝刊

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