小中学校で体罰6件 昨年4月〜今年2月 田辺市教委
紀伊民報 2013年3月12日(火)16時0分配信
和歌山県の田辺市教委は11日、市内の小中学校で実施した体罰の実態調査で、昨年4月〜今年2月に6件の体罰があったと明らかにした。うち4件は、市教委が把握していなかった。さらに中学校で2件、確認中の案件があるという。
市議会3月定例会で、松下泰子議員(無)の一般質問に中村久仁生教育長が答えた。体罰調査は初めて。学校は体罰があれば市教委に報告することになっているが、2011年度の認知はなかった。
調査は大阪市立桜宮高校の生徒が体罰を受けた後に自殺した問題を受け、児童生徒と教員を対象に全国で行われた。質問は「体罰を受けた(与えた)ことがあるか」「体罰を見たことがあるか」の二つ。
認知の内訳は小学校、中学校とも3件。市教委によると、軽くたたいたり、引っ張ったりしたものが多く、治療を必要とするけがなどは発生していない。対象の教員を指導し、児童生徒や保護者に謝罪したという。
■「防止と早期対応が大切」 いじめ対策で教育長
いじめ問題の対応について、田辺市の中村久仁生教育長は11日、「未然防止と早期対応、対応した後の継続観察が大切」との見解を示した。
市議会3月定例会で川崎五一議員(共産)の一般質問に答えた。
川崎議員は「学校、保護者、地域の信頼関係がいじめが起きる前にできていれば、多くのことが防げるのでは」と指摘。中村教育長は「3者の信頼関係を確立するため、学社融合の取り組みを充実発展させたい。教師には子どもたちの人間関係を見抜く感性も大事」と話した。