昨年度の体罰840件=倍増、関心高まりか―自治体で大差も・文科省

昨年度の体罰840件=倍増、関心高まりか―自治体で大差も・文科省
時事通信 4月26日(金)17時14分配信

 文部科学省は26日、大阪市立桜宮高校の体罰問題を受け、全国の小中高校などに指示した体罰の緊急実態調査の1次報告を公表した。今年1月までの10カ月間に公立校で起きた教職員による子どもへの体罰は840件で、同省が毎年実施してきた同種調査に比べ倍増した。
 文科省は「社会的に体罰への関心が高まり、これまで許容範囲として報告しなかった事案も申告したのではないか」としている。
 体罰の内訳は、中学校が416件で最も多く、高校が220件、小学校が189件、特別支援学校が15件。程度別では、骨折や捻挫などが23件、鼓膜損傷が30件などで、563件はけががなかった。被害を受けた子どもは計1890人。
 状況別では、小学校が「授業中」「教室」がどちらも過半数だったが、中高では「部活動」「運動場・体育館」が3〜4割を占めた。態様は、「素手で殴る」が479件で最多。「棒などで殴る」が32件で、「給食を食べさせない」「トイレを我慢させる」などもあった。
 発覚のきっかけは、教員の申告(39.4%)が、保護者の訴え(36.1%)をわずかに上回った。
 都道府県別では、大阪が最多の96件で、福岡77件、岐阜64件と続いた。一方、岩手はゼロで、14県が5件以下と報告した。文科省は数字のばらつきについて、「最終的な結果を見ないと何とも言えない」としている。
 同省は6月にも、保護者や児童生徒へのアンケートなどの詳細な調査を踏まえ、国私立校も含めた昨年度の体罰調査の最終結果を公表する方針。 

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする