総連傘下の歌劇団、復興名目で宮城県に50万円寄付 行政取り込み工作か
産経新聞 2013年11月1日(金)7時55分配信
在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)傘下の金剛山歌劇団が、10月に開催された仙台公演の前に、“震災復興支援”名目で宮城県に50万円を寄付していたことが31日、分かった。事実上の北朝鮮からの寄付に、県関係者も「“復興支援”といわれると寄付を断ることが難しい」と困惑。他県の自治体でも同様の寄付が確認されており、公安関係者は「朝鮮学校への補助金打ち切りや本部競売問題など朝鮮総連や北朝鮮への逆風の中、自治体との関係改善を図る工作」と警戒する。
仙台公演は10月16日、仙台市の東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)で、東日本大震災後初めて行われた。関係者によると、歌劇団側は同日午前、県消費生活・文化課を訪れ50万円を寄付。社民、民主両党の県議が仲介したという。歌劇団の公演では、250以上の団体・企業がパンフレットに広告を出しており、広告料は1ページ10万円とされる。寄付金はこれらの収益の一部とみられる。
朝鮮総連関係者は日本国内で経済活動を行って本国に送金、“拉致国家”を支え続ける。歌劇団は公演ごとに数百万円の収益を上げて朝鮮総連に寄与するほか、「朝日友好」の表の顔も持つ。こうした実績から歌劇団や所属音楽家の多くは本国から表彰を受けているという。
東北朝鮮初中高級学校(仙台市)への補助金支給では、外国人学校の振興を理由に県が3年度から仙台市も5年度から行っていたが、生徒数減少で「当初の目的に見合わない」などと、県は23年度、市も24年度から取りやめた。朝鮮総連の補助金流用疑惑なども考慮したとみられる。
県は今回の寄付を公表していない。県消費生活・文化課は「寄付全てを公表しているわけではなく、粛々と対応した」としている。
同歌劇団は、公演のたびに関係自治体などに数十万円の寄付を行ってきた。23年11月には、被災地からほど遠い山口県下関市で公演。同市に“被災者支援”として20万円を寄付した。昨年10月の阪神公演(兵庫県西宮市)では、県内の4市が後援している。
拉致被害者支援組織「救う会」の西岡力会長は「どのような収支から寄付が行われたのか、行政は精査すべきだ。『震災支援』名目が、朝鮮総連など北朝鮮関連の資金集めに利用されないよう注視する必要がある」と指摘している。
歌劇団側は産経新聞の取材に対し、「取材は受けない」と回答している。