長野駅前3人死傷事件 被害者の遺族が県警通じて心境明かす 「皆様方から頂いた大きく温かなお気持ちは、故人の分まで精一杯前を向いて歩いていくための勇気と…」【長野市】

長野駅前で男女3人が殺傷された事件。捜査関係者によると、容疑者の男は電気や水道が止まった状況でした。 生活困窮者への支援、その現状と課題とは… 22日午後8時ごろ、JR長野駅前で男女3人が相次いで刺され、1人が死亡、2人が重軽傷を負った事件… 亡くなった男性の遺族は31日、県警を通じて現在の心境を明かしました。 ■男性の遺族のコメント本文 「1月22日の突然の出来事は、通夜・告別式を終えてもなお、私たち家族にとって現実の事とは受け入れ難いものですが、周囲の皆様方からは、故人のために献花・供物等を頂いただけでなく、事件に関する情報をお寄せくださったものと承知しております。本当にありがとうございました。皆様方から頂いた大きく温かなお気持ちは、これからの人生を、故人の分まで精一杯前を向いて歩いていくための勇気となりました。どうか周囲の皆様方におかれましては、これまでどおり私たち家族に接していただき、私たち家族と一緒に故人を偲んでいただければ幸いです。」 この事件では、長野市の無職・矢口雄資容疑者(46)が軽傷を負った女性に対する殺人未遂の疑いで逮捕・送検されました。捜査関係者への取材で、矢口容疑者は生活保護を受給していて、 電気や水道が止まった状況だったことが分かっています。 長野市では水道料金の滞納などで停水対象となる世帯は、毎月延べ2000軒ほど。その内およそ100軒で実際に停水措置が取られるそうです。 様々な要因で生活が苦しくなった場合、国などはいくつかのセーフティネットを用意しています。 生活保護に至る前に、自立を支援するための制度があります。たとえば、県の自立支援センター「まいさぽ」では、住居確保のための給付金支給や就労支援、家計の収入や支出を改善するための支援など、本人の状況に応じてサポートをしています。 ■県社協 相談事業支援センター・本藤久道 所長 「人それぞれ理由は違うと思う。今の社会情勢を見ていても、景気が良いわけではないので、仕事が難しかったり、派遣切りにあったり、様々な要因によって生活が苦しくなる人がいる」 今年度、県の「まいさぽ」に新たに相談があったのは先月までに2896件で、昨年度の同じ時期を上回っています。 ただ、これはあくまで〝新規相談件数〟。継続支援を含めた「延べ件数」はおよそ1万5000件に上ります。 生活困窮者に対する支援の課題もあると、県社会福祉協議会の本藤久道さんは指摘します。 ■県社協 相談事業支援センター・本藤久道 所長 「本人の気持ちとして困窮を脱却したいという中で支援をするので、周りがその人に課題を持っていても(感じていても)、本人が課題を持っていない(感じていない)と、スタートにならない。人づきあいが苦手な人は仕事に就いてもすぐ退職してしまうとか、(就職)氷河期世代の人も、なかなか採用が無かった中で、そのまま派遣や就職に就かないまま来ているケースもあったりしますし」 国は4月に改正・生活困窮者自立支援法の施行を予定していて、関係機関は自ら支援を求めることが困難な人に積極的に働きかけることができるようになります。

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