大阪府東大阪市の山中で先月、切断された男性の遺体が見つかった事件で、大阪府警は3日、無職の大木滉斗(ひろと)容疑者(28)=大阪市中央区日本橋2丁目=を死体遺棄の疑いで逮捕し、発表した。「間違いありません」と容疑を認めているという。 府警は大木容疑者が男性の死亡の経緯についても知っているとみて、殺人容疑を視野に捜査を進める。 捜査1課によると、大木容疑者は昨年12月28日ごろ、東大阪市山手町の空き家やその付近に男性の遺体を遺棄した疑いがある。現場は東大阪市と奈良県生駒市の境にある山中で、頭部や両腕、両脚が切断された状態で見つかった。 府警によると、遺体発見現場から約600メートル西の近鉄額田駅近くの防犯カメラに、28日夜、キャリーバッグを持って山中の現場方向へと向かう人物が映っていた。 この人物の足取りについて防犯カメラ映像の解析を重ねるなどして調べたところ、大木容疑者の事件への関与の疑いが浮上したという。 遺体発見現場には防犯カメラに映っていたものと特徴が似たキャリーバッグが放置されていたといい、府警は、大木容疑者が男性の遺体をキャリーバッグに入れて運び、山中に遺棄したとみて詳しい足取りを調べている。 翌29日には大木容疑者と連絡が取れなくなっているとして家族が捜索願を出していた。 今月2日午後に「長時間うろうろしている人がいる」という通報を受けた和歌山県警の警察官が県内で大木容疑者を発見。県警から連絡を受けた府警が大木容疑者に任意で事情を聴いたところ、遺棄事件への関与を認めたという。 司法解剖の結果、男性は40代~50代前半で、昨年12月下旬に死亡したとみられるという。衣服は着ておらず、現場に争った形跡はなかった。周辺では男性の所持品なども見つかっていないといい、府警はDNA型鑑定などをして男性の身元の特定を進めている。(田添聖史、宮坂知樹)