【ワシントン時事】トランプ米政権は15日、南米ベネズエラのギャング組織メンバーの強制送還を進めるため、敵対国の市民の逮捕、拘束を認める敵性外国人法を発動する布告を発表した。 同法は1798年に制定され、第2次世界大戦中に日系人の強制収容で使われたことで知られる戦時法。ただ、ロイター通信によると、ワシントンの連邦地裁は、発動を14日間差し止めた。 布告では、ベネズエラのギャング組織「トレン・デ・アラグア」が「米国の領土に侵略または略奪目的の襲撃を行っている」と宣言した。14歳以上の同組織メンバーの不法移民を「敵性外国人」と認定し、逮捕、拘束するよう関係機関に指示した。 米政府は2月、同組織を「外国テロ組織」に指定していた。 ロイターによると、連邦地裁の判事は「侵略や略奪目的の襲撃という用語は、他国による敵対行為に関することだ」と説明。戦時法は、ギャング組織を対象にした今回の布告の根拠にならないとの見方を示した。同法が適用されれば、法的手続きを回避し、不法移民を強制送還できるようになる可能性があるという。