カルト問題「教育の場で」 オウム元死刑囚支援の僧侶

心理学者らでつくる「日本脱カルト協会」理事の僧侶平野喜之さん(61)=石川県かほく市=は、オウム真理教元幹部で逮捕後に脱会した井上嘉浩元死刑囚=執行時(48)=を支援していた。交流を通して見えてきたのは、若い世代に啓発することの大切さだ。「危ない宗教があると、教育の場で伝えないといけない」と語る。 高校2年で入信し、幹部になった元死刑囚は、地下鉄サリン事件などに関与。1995年5月に逮捕された。取り調べに対して黙秘した時期もあったが、約5カ月後には「オウムの救済手段は間違っていた」と批判。同年中に、教団に脱会届を提出した。 平野さんは元死刑囚と同じ高校出身だった縁で、2006年から支援。死刑確定後も交流が許され、18年7月の執行前も、大阪拘置所で面会した。手紙のやりとりは約200通に上る。 松本智津夫元死刑囚への帰依から離れた理由について平野さんは「自分と向き合うよう促した両親の愛情が大きい」とし、さらに「専門家のカウンセリングを受け、宗教以外の本も読むようになって回復していったのでは」と述べた。

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